また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、出た本出る本など、本関連の最新ニュースを届けます。

【絵本】「ほぼ日」で始まってます!ヨシタケシンスケ✕糸井重里対談

 さて、この対談は上の雑誌「MOE」の4月号にも掲載されているのですがほぼ日の連載は「ほぼ日編集バージョン」で冒頭から違っています。さらに、全9回と長いので、雑誌未収録分も載るのではないかなぁ、そんな期待も大です。とにかく、この対談はおもしろかったですよ。ヨシタケさんの創作のヒミツがいろいろわかっちゃいます。というか、ヨシタケさん、おもしろいっ!糸井さんとの共通点もなかなかです。

 

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【書評】佐藤正午「月の満ち欠け」-月の満ち欠けのように繰り返すことで、その愛は「永遠」へと近づいていく

 一気読みできればたぶんその必要はないのだけどそうもいかず、物語の後半で「人物相関図」を作ってしまった。あの人がこの人とあーなって、こーなって…ううむ、なるほどなるほど。

 

 しかし、この物語、他の作家がYA(ヤングアダルト)みたいな感じで書けないこともない。でもそんなものはたぶんケケケッと笑い飛ばしちゃうだろう。佐藤正午が書いたからこそ「物語」として成立するわけで、そこがこの作家のスゴいところだ。佐藤正午が書く小説は、他と何が違うのか。それは常に薄いベールのように「謎」に覆われていること。そして、最後にきっちりとストーリーではなく「人間」へと収斂していくこと。構成、キャラクター、文章力、すべてを結集して作り上げるその物語の見事さ!

 

 で、どんな物語?う〜む、これは書けないなぁ。要約さえ難しい。それを知ってしまったらこの小説を読む愉しさの半分は失われてしまう。まぁ、岩波書店も帯の裏で盛大にネタバレやってますけどね。書店のPOPはさらに酷く…。いいのかなぁ、つまんないなぁ。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.5/2週)

 さてさて、出る本。奥田英朗、窪美澄、荻原浩、原田マハ、中江有里の恋愛ストーリーを集めたアンソロジー「恋愛仮免中」(5/10)が文春文庫から出ます。まぁ、執筆陣は豪華。でも、恋愛というくくりはアンソロジーとして弱いんじゃないかなぁ。

 

 もう1冊、文庫。津村記久子「エヴリシング・フロウズ」(5/10)がこれも文春文庫から。読んだけど、いいですよぉ。自分にあまり自信が持てない中3生の話。人物の造形がなかなかです。おすすめ!僕の書評も読んでみてください。

 


 

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【書評】村上春樹「騎士団長殺し」-こういう着地点が村上春樹ワールドにあるなんて!

 

 

 このラストにはちょっと驚いた。あまり書いてしまうのはネタバレになるからやめたいのだけれど、こういう着地点が村上春樹ワールドにあるなんて!それが3.11の直後のこととして描かれているのにも大きな意味があると思う。  

 

 肖像画家である主人公の「私」は妻から理由もないままに離婚を言い渡され、それを受け入れるが、そのことで深く傷ついている。そして、小田原郊外の山頂の家で一人暮らすことになるのだが、孤独と共にあることで自らを律している、そんな感じがする。この物語の鍵を握っている2人の人物、谷間を隔てた山頂に住む隣人の免色というちょっと変わった男も、絵画教室で出会い彼の絵のモデルになる秋川まりえという物静かな少女も同じく孤独と共にある。

 

 スバルフォレスターの男、天井裏の日本画、夜中の鈴の音、閉ざされた石室、死んだ妹、突如顕れる騎士団長、ナチ高官の暗殺未遂事件などなど、物語自体すこぶるおもしろく、村上春樹の比喩もまた冴え渡る。

 

 最終的に主人公は騎士団長にいざなわれるように、異界に入り苦難の末にそこを抜けだす。彼は彼自身のためではなく他の人間のために何やらわからない世界に身を投じたのだ。その結果として、心の傷は癒やされ、孤独とは一番離れた場所にたどり着く。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.5/1週)

 さて、出た本。柚木麻子「BUTTER」出てます。ううむ、これ気になるなぁ。あの佐藤優氏が

 

「木嶋佳苗事件の闇について、柚木さんでなければ描けなかった。この本を読んで、女性と話をするのが怖くなった。」

 

   と書いています。小説新潮に連載された最新長編!

 

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【BOOK NEWS】「逃げるは恥だが役に立つ」シナリオブック5月19日発売!!

 おぉ、あの「逃げ恥」のシナリオブックがいよいよ発売。DVDを買えない人もこの値段ならいいですよね。うちもこれにしよう!全464ページとかなりボリューミー。制作裏話も満載!カラーページもあります。てなことが、Twitter情報でいろいろと。

 

 え〜っと、今、アマゾンは予約ができない状況、楽天ブックスは大丈夫みたいです。

(追記2017.5.19 本日発売ですが、ネットでは今買えないみたいです。重版は決定しました。まずは本屋さんでチェックを。しかし、この表紙は…よくわからん)

 

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【書評】谷口ジロー「ヴェネツィア」-終盤に描かれるこの街の夕暮れから夜景へと続く描写の素晴らしさ!

 これが谷口さんの実質的な遺作ということになるのだろうか。1人の作家が1つの街をイラストで表現するというルイ・ヴィトンの「トラベルブック」のうちの1冊。最初はパリとヴェネツィアどちらか、という提案を受けパリと答えたのだが、すでに他の画家に決まっていてヴェネツィアになった、とあとがきにある。なぜ谷口ジローが?と疑問に思う人もいるだろうが、フランスでの谷口人気は驚くほど高い。このセレクトは意外でもなんでもないし、「ヴェネツィア」はルイ・ヴィトンの期待に100%以上応えている傑作だ。

 

 この本は物語仕立てになっている。主人公の男が亡くなった母の遺品から見つけた昔のヴェネツィアを描いた数枚の手描きの絵葉書と古い写真。それらに導かれるように彼はこの街にやって来る。写真の女性はどうやら祖母で、彼女に抱かれた女の子が母なのか?様々な思いを巡らしながらヴェネツィアの街を歩き続ける主人公。オールカラーで描かれた谷口ジローの絵は一枚一枚どれもが美しく、見ていて飽きることがない。

 

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