また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【BOOK NEWS】ヨシタケシンスケ「あるかしら書店」×ポプラ文庫 「あるかしら文庫」が気になる、気になる!

 ポプラ文庫10周年を記念して全国の書店で開催中の「あるかしら文庫」、すご〜く気になってるのだけど、近くの本屋ではきちんとした展示を見かけない。絵本作家ヨシタケシンスケさんの人気絵本「あるかしら書店」とコラボした文庫フェアで、対象になっているのは小川糸「食堂かたつむり」、中脇初枝「きみはいい子」、ドリアン助川「あん」、原田マハ「翔ぶ少女」など16冊。なんと、それぞれにヨシタケさんがオリジナルブックカバーが付いてるんです。上のは「食堂かたつむり」のもの。いいでしょう?

 

 書店でのPOPというか展開の仕方もなかなかかわいいし、2冊買うとヨシタケさんのシールももらえるらしい。う〜ん、ヨシタケファンとしてはたまらん企画だなぁ。どっか近くでやってる本屋、あるかしら?

 

◯あるかしら文庫の詳細はこちらで

◯「ダ・ヴィンチ」の記事で一部カバーも見られます

◯ツイッターでいろいろな展開も見られます!

@arukashiraPR

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【コミック】第22回手塚治虫文化賞、マンガ大賞は「ゴールデンカムイ」!矢部太郎さん「大家さんと僕」も受賞!

 さてさて今年の手塚治虫文化賞、マンガ大賞は野田サトルさんの「ゴールデンカムイ」に決定しました。パチパチパチ!3年連続候補に選ばれていて人気も高いのでそろそろかな、と思っていました。2014年から連載スタートして今は「六合目あたり」だって。これからの展開を期待!受賞作を除いた候補作は以下の通り。

 

白井カイウ原作、出水ぽすか画「約束のネバーランド」

おざわゆき「傘寿まり子」

石塚真一「BLUE GIANT」

LF・ボレ作、フィリップ・ニクルー画「MATSUMOTO」

Ark Performance「蒼き鋼のアルペジオ」

田中圭一「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」

田辺剛「狂気の山脈にて」

鳥飼茜「先生の白い噓」

石黒正数「それでも町は廻っている」

 

 新生賞は「BSASTARS」の板垣巴留(ぱる)さんに。審査員の秋本治さんが「今一番輝いている」とコメントしてます。「マンガ大賞2018」も受賞!これは読んでないけれどちょっと心惹かれるなぁ。

 

 短編賞には矢部太郎さんの話題作「大家さんと僕」が選ばれました。漫画家以外では初の快挙!「ほぼ日」での糸井さんとの対談もおもしろかった。

 

◯「ほぼ日」での対談はこちら!


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【エッセイ/書評】片岡義男「珈琲が呼ぶ」-書き下ろし全45篇!これはもう珈琲なんか超えちゃっておもしろい

 

 帯がズルい。「なぜ今まで片岡義男の珈琲エッセイ本がなかったのか?」って書いてある。え〜〜っ、そんなことないよなぁ、何かなかったっけ?小説には珈琲たくさん出てくるけれどエッセイはないか?でも片岡さんの小説ってエッセイっぽかったりもするから…とかとか思っているうちに本屋のレジに並んでる。ズルい!

 

 で、読んでみると、これはもう珈琲なんか超えちゃっておもしろい。ある意味、珈琲なんかどうだっていいぐらいおもしろい。45篇の書き下ろし!!!!確かに珈琲が起点になってたり、背景だったりしてるわけだけど、エッセイとしてのおもしろさがバツグンなのだ。

 

 2篇目の「コーヒーでいいや」という言い方の話がすこぶるおもしろいし、京都にある「静香」という喫茶店の椅子へのこだわりには驚かされるし、ビートルズの4人のポートレートとそこに記されたサインの物語はドキドキするし、美空ひばりとの不思議な邂逅はいつまでも心に残る。レコードと歌とコーヒーの関係、映画の中のコーヒーの話は、遥か昔、若き日々を思い起こさせてくれる。お茶の水の聖橋から見る電車の揃い踏み写真におおっと声をあげ、名曲喫茶の話にウンウンと頷く。ところどころに入ってる写真がまたいい。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.4/4週)

 さて、出る本。昨年度の本屋大賞・翻訳小説部門で1位に輝いた「ハリネズミの願い」の作者トーン・テレヘンの新作が出ます。「きげんのいいリス」(4/26)!アマゾンの紹介を見ると読みたくなるなぁ。ううむ。

 

あなたに似たどうぶつがきっといます。『ハリネズミの願い』の作家による幻の名作完全版!ブナの樹の上に暮らす忘れっぽくて気のいいリス。知っていることが多すぎて、頭の重みに耐えかねているアリ。始終リスを訪ねてきてはあちこち壊す夢みがちなゾウ。思いとどまってばかりのイカ。チューチュー鳴くことにしたライオン。……不器用で大まじめ、悩めるどうぶつたちが語りだす、テレヘン・ワールドへようこそ!

 

 

 幻の名作の完全版、なんですね。表紙、ハリネズミのデザインを踏襲した、いい感じの表紙だなぁ。

 

 さて、宮部みゆき待望の新作「あやかし草子 三島屋変調百物語伍之続」(4/27)も出ます。「おそろし」「あんじゅう」「泣き童子」「三鬼」と続いてこれがシリーズ5冊目。そして、第一期完結編、だそうです。心に傷を持つ主人公が語り手たちと対峙して聞く百物語。もののけたちもたくさん登場してきますが、その奥にあるのは「人」の怖さと悲しさ。ただの怪談集とは違います。ぜひ、一読を!!

 

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【文学賞】第31回 三島由紀夫賞、山本周五郎賞のノミネート作が発表になりました

まずは三島由紀夫賞のノミネート5作です。

 

 一番下のノミネートは小谷田奈月さんの「無限の玄」です。これは 「早稲田文学」増刊女性号に掲載されましたが、まだ本にはなっていません。残念ながら、僕は全部未読。予想は全然つかないけれど、高橋弘希さんは色々な賞でノミネートされてるので有力候補かな、と思っています。

では、山本周五郎賞のノミネート5作です。

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【映像化】こうの史代原作ドラマ「この世界の片隅に」「夕凪の街 桜の国2018」のヒロイン決定!!

 じゃ〜ん!って書きたかったんだけどなぁ。どちらものんさんではないようです。「この世界の片隅に」のヒロインすずは松本穂香さんで決定したみたい。え〜っと「ひよっこ」の眼鏡のあの子、今はauのCMで神木隆之介と共演してますね。7月からTBS系「日曜劇場」枠で連続ドラマとして放送です。う〜ん。いや、松本穂香は悪くないけど。

 

 もう一つ、こうのさんの名作「夕凪の街 桜の国」の方は「2018」というのがタイトルに付いて、今年の8月6日に単発ドラマとして放送されます。こちらの主人公、七波は常盤貴子さんで皆実は川栄李奈さんに決定しました。詳しくはこちらを見てください。

 

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【写真集/感想】椎名誠「犬から聞いた話をしよう」-旅で出会った犬たちよ!彼らを見つめるシーナの眼差しが優しい

 まず、タイトルがいい。天下無敵!タイトルだけで読みたくなる。そして、表紙がいい。この写真は中でも再度登場しているのだが、シーナがアルゼンチンの地球最南端の町で出会った犬だ。レストランに入った主人を彼(彼女?)はじっと待っている。そして、写真がすべてモノクロームなのもいい。どこかで深く旅の哀愁を感じる。


 シーナは旅の人だが、その途上でたくさんの犬の写真を撮る。それをまとめたのがこの写真集だ。全体は「犬と子供はともだち」「犬にはヒルネがよく似合う」「一匹犬」など10のセクションに分かれている。それぞれの写真に短い説明が付き、ちょっと長めの犬エッセイが5つ、途中に挿入される。このエッセイもなかなかいい。昔飼っていた犬の話、石垣島でのワンサという犬との出会い、バリ島で会った神の犬、カヌー犬ガクとのことなどなど、どれも強く心に残る。


 

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