また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【BOOK NEWS】村上春樹、「POPEYE」8月号からエッセイ連載スタート!テーマはTシャツ?

 短編「ハナレイ・ベイ」の映画化、そして、ラジオDJ初挑戦と最近話題が多い村上さんですが、マガジンハウスの「POPEYE」でのエッセイ連載が決まりました。7月9日発売の8月号からのスタートです。

 

 内容は、村上さん自身のTシャツコレクション紹介がメインのようですが、村上さんのこと、話はいろいろと飛ぶのではないかと期待しています。初回の8月号はスペシャルとして巻頭にTシャツコレクションを掲載、村上さんのインタビューも載るようです。

 

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【文学賞】第159回芥川賞・直木賞(平成30年下半期)候補作、決定。窪美澄さん、直木賞にノミネート!

 今年上半期の芥川賞、直木賞候補作が発表されました。さてさて、どれが選ばれるのでしょうか?候補作、まずは芥川賞から。

 

 

【芥川賞候補】

 

◯古谷田奈月「風下の朱」(早稲田文学初夏号)

◯高橋弘希「送り火」(文學界5月号)

◯北条裕子「美しい顔」(群像6月号)

 

 

◯町屋良平「しき」(文芸夏号)

◯松尾スズキ「もう『はい』としか言えない」(文學界3月号)

 

 古谷田奈月さんは「無限の玄」で三島賞を受賞しています。「無限の玄」と候補作の「風下の朱」を1冊にした単行本が7月に出ます。松尾スズキさんは3度目のノミネート。こちらは今月末の発売。さてさて、どれがとるのか?

 

直木賞候補作は珍しく6作です。

 

【直木賞候補】

◯上田早夕里「破壊の王」

◯木下昌輝「宇喜多の楽士」

◯窪美澄「じっと手を見る」

◯島本理生「ファーストラヴ」

◯本城雅人「傍流の記者」

◯湊かなえ「未来」

 

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.6/4週)

 さてさて、出た本。「パンダでおぼえる ことわざ慣用句」出ました。これいいなぁ、「肩を落とす」の項には悲しげなパンダの後ろ姿の写真が。「猿も木から落ちる」には、まさにパンダの転落写真が。176枚のパンダ写真と201語のことわざ・慣用句が掲載されています。あ、写真のパンダはあのアドベンチャーワールドのふたご「桜浜」「桃浜」がメインだって。装幀やデザインもおしゃれで持っていてうれしくなるような1冊。これ欲しいぞ。

 

◯アマゾンのページ、本の表紙写真の下でどんな感じか中身も見られます!

 

◯パンダなら、これもおすすめ!

 

 パンダの次はドラえもん。藤子・F・不二雄まんが原作、飯田朝子著「ドラえもん はじめての数え方」出ました。著者の飯田さんは助数詞と広告コピーを中心に研究されている中央大学の教授。広告コピーのコンペ「宣伝会議賞」でも3年連続で協賛企業賞を受賞されている言葉のプロフェショナルです。2004年に出た「数え方の辞典」が10万部の大ヒット、今回はその子供版という感じでしょうか。「数えまち貝」なんていうドラえもんの新しい「ひみつ道具」も登場しちゃうらしい。

 

 数え方って意外と知らないのが多いんだよなぁ。数え方を知ると身の回りのものの見え方も違ってくるというのもおもしろいところだなぁ。気になる!

 

◯こちらで試し読みもできます

 

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【書評】椎名誠「家族のあしあと」-大家族!大騒動!シーナの子供時代を描いた「岳物語」シリーズ最新編

 

 大ヒットした「岳物語」に始まり、「続 岳物語」「大きな約束」「続 大きな約束」「三匹のかいじゅう」と息子世代から孫世代へと続く椎名誠の家族の物語は楽しくてずっと読んできた。今回は彼自身の子供の頃の話だ。シーナの幼い頃のことは断片的に読んだことはあるが、こうして1冊にまとめられたのは初めてではないだろうか。これを書くことでシリーズは円環のようにつながり、三世代の物語になった。


 小学生の頃からシーナは「具体的にそれがどういうことなのかよく分からなかった」が「家庭内異変」を感じていた。子供は全部で5人いたが、他にも見知らぬ子供が時々家に現れた。後に分かることなのだがシーナの父には先妻の子供が5人いた。シーナの母との間には4人。異母兄弟のうち1人だけが長男として一緒に住んでいたという。いやいや何だか大変だ。

 

 一家は、三軒茶屋の大きな家に住んでいたのだが、これもまた「何らかの事情」で千葉の山奥、さらに幕張へと引っ越しを繰り返す。この物語では、家族の問題をはじめとするシーナ家のヒミツが少しだけ全体に暗い影を落としてはいるのだが、やはり読みどころはシーナ少年の元気でやんちゃな毎日だ。

 

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【映像化】ミステリー3冠!米澤穂信「満願」、NHk総合で8月に3夜連続ドラマに!

 おぉ、これ僕持ってます。2015年度の「このミステリーがすごい!」「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」すべてで1位になった短編ミステリー集。ミステリーファンではない僕も「おぉ、これはスゴイ」と思って買っちゃったんです。山本周五郎賞も受賞したし。で、感想ですが、え〜っと、まだ読んでないなぁ。すみません。

 

 全6篇のうちドラマ化されるのは「万灯」「夜警」、そして表題作の「満願」の3篇で、8月14日から3日間にわたりNHK総合で放送されます。それぞれの主演は、西島秀俊、安田顕、高良健吾。夜10時から59分間のドラマです。ううむ、役者もいいし楽しみ。8月までまだ時間があるから原作読まなくちゃ。っていうか、読むぞ、読むぞ、絶対読むぞ。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.6/3週)

 さて、出た本。宮崎駿監修、スタジオジブリ編の「トトロの生まれたところ」出てました。「となりのトトロ」の舞台になった所沢の四季折々を現地に住む宮崎朱美さんのスケッチと日記で紹介。さらに、宮崎監督のイメージボードやインタビューなども収録。そうか、所沢。行ったことないんだよなぁ。気になる!

 

◯岩波書店の特設ページはこちら

トトロの生まれたところ - 岩波書店

 

 もう一冊は広告の本。、コピーのみのコンペでは日本最大である「宣伝会議賞」の昨年分の結果をまとめた本「SKAT.17」出ました。一次審査通過以上の全入選コピー5336点と中高生部門の一票以上獲得コピー205点が収録されてます。グランプリなど上位の賞や協賛企業賞のコピーはドド〜ンと大きく、受賞者の言葉も載っていたりします。三次通過、二次通過とそれなりの大きさになり、一次通過は豆粒のようになっちゃって、肉眼では見えません(うそ)。あとは審査員の講評とか、過去の入賞コピーの紹介とか。まぁ、載ってるのはコピーばかりというある意味ヘンな本です。ぜひ、本屋さんで手に取って見てみてください。あ、これ、「スカット」と読みます。SENDENKAIGI AWARD TEXTの略です。

 

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【コミック】松本大洋「ルーヴルの猫」-猫たちは代々ルーヴルに住んでいる。時を超え空間を超える命の物語!

 松本大洋のコミックや絵本はいつも気になる。これは「ビッグコミックオリジナル」に連載されていたもの。オールカラーの大型本もあるのだけど、表紙はこちらの方が断然いい。鉛筆と薄墨で作画されたというやさしくて繊細な絵が素晴らしい。

 

 ルーヴルのガイドを務めるセシルは、案内の最中に小さな白い猫を見かける。まさかルーヴルに猫が?絵を見るためについつい出てきてしまうこの猫の他にも、美術館の中には数匹の猫がいる。それを知っているのは夜警の老人マルセルとその仲間たちだけ。彼は時々、猫たちに餌を与えている。この猫たち、代々ルーヴルに住んでいるという。

 

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