また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【文学賞】第28回Bunkamura ドゥマゴ文学賞は九螺ささら「神様の住所」に決定!

 このドゥマゴ文学賞は毎年1人の選考委員が選ばれ、その1人の人が決定するというユニークな文学賞。28回目の今回の選考委員は小説、エッセイなど幅広く活躍中の大竹昭子さん。受賞作は歌人の九螺ささら(くらささら)さんの「神様の住所」です。パチパチパチ!

 

 九螺さん、知らない。発表ページのプロフィールを見ると、朝日歌壇などの投稿から短歌を始め、この受賞作が初の著書らしい。それにしても「神様の住所」ってなんだかいいタイトルだなぁ。で、アマゾンの紹介を読むとさらに興味が増してくる。引用してみますね。

 

短歌が入口で、宇宙が出口。
俵万智、穂村弘、東直子と続く革新短歌の宇宙を、
哲学的な輝きで新たに飲み込む。

〈体積がこの世と等しいものが神〉夢の中の本のあとがき (哲学)
徹子の部屋の窓から見えてたえいえんみたいな二個目の太陽 (黒柳徹子)
何度寝て何を入れてもわたしとはたわしにならない固有のわたし (質量保存の法則)

たましい、無限、黒柳徹子、味の素、なぞなぞ――
84の多彩なテーマごとに、「短歌」→「自己解説(風文章)」→「短歌」の三段階で構成。
短歌と散文、感情と理性が響き合って、世界の新しい風景があふれだす。
歌集でもなく、エッセイ集でもない。
言葉がきらめく超新星、鮮やかすぎるデビュー作!

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.9/1-2週)

 な、なんだか村田さんの新刊「地球星人」盛り上がってますね。このブログにも「地球星人」の記事目当ての皆さんがドドドッといらっしゃってビックリしました。僕はまだ未読ですが、土曜日発売なのにもう読んじゃった人もいて。早いなぁ、すごいなぁ。

 

 さてさて、出る本。というか、その村田沙耶香さんの芥川賞受賞作「コンビニ人間」(9/4) 文庫になります。表紙は単行本と一緒。未読の人はこの機会にぜひぜひ。気に入ったら一気に「地球星人」まで読んじゃいましょう。

 

◯「コンビニ人間」、僕の書評はこちら

 

 

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【広告コンペ】第56回「宣伝会議賞」の課題が発表になりました。雑誌「宣伝会議」10月号発売!

 さて、今年も「宣伝会議賞」の季節がやって来ました。課題は8月30日に公式サイトでシンプルなものが発表され、昨日発売の「宣伝会議」10月号で詳細が分かりました。一般部門の課題数54、昨年より随分と増えています。締め切りは10月31日の13時。2カ月って長いのか短いのか。いずれにしても、いろいろな人がいろいろな気持ちでこのコピーだけのものとしては国内最大のコンペに挑みます。

 

 コピーのプロの人、コピーライターをめざしている人、広告界で働きたいと思っている人、コピーってなんだかおもしろいと思ってる人、一攫千金100万円いっちょ狙ってみるかという人、とにかくコピー1本で応募できるのですからすご〜くカンタンです。ある意味、誰でもできる。

 

 とはいえ、数字的には一次通過するだけでもけっこう大変です。昨年の応募総数は45万8944点で一次審査を通過したコピーはわずか5336点。通過率1.1%です。でも、まぁ、ビギナーズラックだってあるんですよ。数年前には数本しか出さなかった人がグランプリ取ってますし。というわけで、これを読んでるあなた。あなたもやってみませんか?課題にそって、いろいろ考えるのって楽しいですよ。とにかく僕はいろんな人に挑戦してもらって、コピーワークの楽しさを実感して欲しいと思っています。アドバイスなんて特にはないけれど、一つだけいうなら、

 

思いつかない。

 

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【映像化】柴崎友香原作、映画「寝ても覚めても」明日から公開!

 最近、いろいろと話題の多い柴崎さん。このブログでも紹介した野間文芸新人賞受賞作「寝ても覚めても」が映画化され、明日から公開になります。監督は5時間超の超長編「ハッピーアワー」でロカルノなど国際映画祭で主要賞を受賞した濱口竜介。この映画もカンヌのコンペティション部門に選ばれています。

 

 原作は朝子という女性が大阪と東京で顔がそっくりな2人の男に恋をするというちょっと変わった物語。風景描写が緻密で本当に驚かされましたが、なんだか不思議な味わいがあってとても好きな小説でした。

 

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【絵本/感想】ヨシタケシンスケさく 伊藤亜紗そうだん「みえるとかみえないとか」-とにかくヨシタケさんに拍手喝采!

 伊藤亜紗そうだん、っていうのがいいなぁ。伊藤さんは「目の見えない人は世界をどう見ているのか」という新書の著者で、美学を専門に、アート、哲学、身体に関連する横断的な研究をしている人だ。発行元であるアリス館の編集者が彼女の本をヨシタケさんに紹介したことで、この絵本の企画はスタートした。これは目の見えない人たちをテーマにした絵本だ。ヨシタケさん、難しかっただろうなぁ。本当ならやりたくなかったよなぁ。と、勝手に思う。死をテーマにした「このあとどうしちゃおう」なんかより数倍難しかったに違いない。

 

 ってことはさておき、この絵本を楽しみたい。だってこれ、宇宙飛行士が主人公でなんだかおもしろそうだから。いろんな星を調査しているこの男がやって来たのは後ろにも目がある3つ目の人々?の星。あ、表紙の真ん中にいらっしゃる緑の人ね。で、この宇宙飛行士、3つ目の人たちから「かわいそう」って言われる。自分の背中が見られないなんて!と。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.8/5週)

 さてさて、出る本。最初は先日ちょっとお知らせした、村田沙耶香の芥川賞受賞第1作「地球星人」(8/31)。装幀がなんだかなぁ、というのはありますが、掲載誌ですでに読んだ人の物語への評価は高いです。先日の朝日のインタビューによると、これは「消滅世界」に連なる話らしい。それなら、さらに期待できそう。読むぞ!!

 

◯朝日のインタビューはこちら

※途中で有料になりますが無料分だけでも読む価値あり

◯「消滅世界」の僕の書評はこちら。これもぜひ読んでみてください!

 

 

 「その女アレックス」などでミステリー賞を独占したピエール・ルメートルの久々の新作が登場!「監禁面接」(8/30)。な、なんだかスゴいタイトルだけど、内容はさらにスゴそう。アマゾンの紹介文、長いけれど引用してみますね。

 

リストラで職を追われたアラン、失業4年目。再就職のエントリーをくりかえすも年齢がネックとなり、今は倉庫でのバイトで糊口をしのいでいた。だが遂に朗報が届いた。一流企業の最終試験に残ったというのだ。だが最終試験の内容は異様なものだった。

〈就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ〉

重役たちの危機管理能力と、採用候補者の力量の双方を同時に査定するというのだ。アランは企業人としての経験と、同じく人生どんづまりの仲間たちも総動員し、就職先企業の徹底調査を開始した。そしてその日がやってきた。テロリストを演じる役者たちと他の就職希望者とともに、アランは重役室を襲撃する!

だが、ここまでで物語はまだ3分の1。「そのまえ」「そのとき」「そのあと」の三部構成を操って名手はアランと読者を翻弄する。残酷描写を封印、ルメートルが知的たくらみと皮肉なブラック・ユーモアを満載して送るノンストップ再就職サスペンス!

 

 ノンストップ再就職サスペンス、って…。いずれにしてもルメートルの物語にハズレはない。これも読みたいぞ。

 

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【映像化】筒井ともみ原作、映画「食べる女」がなんだかおもしろそう!

 この映画、原作は脚本家・筒井ともみの短編集「食べる女・決定版」、来週文庫で出ます。単行本は2004年に出版されていて、2007年には続編も出ています。決定版、ってなってるから正続からセレクトされたものなのかな?情報がなくてちょっと不明。

 

 映画は9月21日公開で企画・脚本・プロデュースも筒井さんが担当、監督はテレビドラマなどで活躍している生野慈朗。女優陣がすごく豪華!小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香。ちょっと予告編、見てみましょう。

 

 

 

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