また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

■あ行の作家-絲山秋子

【書評】絲山秋子「神と黒蟹県」ー舞台は日本のどこにでもあるような地味県、黒蟹。この小説、神も人間もすこぶる愛おしい!

神と黒蟹県 posted with ヨメレバ 絲山 秋子 文藝春秋 2023年11月13日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す ううむ、これはすっごくおもしろい!物語の舞台になるのが日本のどこにでもあるような地味県である黒蟹県。架空…

【書評】絲山秋子「まっとうな人生」ーいやいやいやいや、これは「くるまの娘」と争う今年のベスト候補。絲山秋子はすごいなぁ

まっとうな人生 posted with ヨメレバ 絲山 秋子 河出書房新社 2022年05月19日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す ううむ、いやいやこれはスゴい。宇佐見りん「くるまの娘」が今年の有力なベスト候補と思っていたのだけ…

【書評】絲山秋子「御社のチャラ男」-いやいやこれはただのチャラ男小説ではないぞ!

御社のチャラ男 posted with ヨメレバ 絲山 秋子 講談社 2020年01月23日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す いやいやいや、これはメチャクチャおもしろい。目次を見ただけでそれは分かっちゃう。こんな感じだ。 当社のチ…

【書評】絲山秋子「小松とうさちゃん」-どんな人生にも陰影があり、悲愁がある。いいなぁこれ!

小松とうさちゃん posted with ヨメレバ 絲山 秋子 河出書房新社 2019年12月06日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 絲山さんの小説は好きでたいがいは単行本で読むのだけど、ちょっとタイトルで躊躇してしまって文庫に…

【書評】絲山秋子「夢も見ずに眠った。」-妻の単身赴任、夫の鬱、そして離婚。その後も2人は旅で出会う

夢も見ずに眠った。 posted with ヨメレバ 絲山 秋子 河出書房新社 2019年01月29日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す この物語はおもしろいなぁ。おもしろいのだけど感想を書く段になるとその魅力を説明するのがなかなか難しい。ううむ。 これ…

【書評】絲山秋子「薄情」-「地元」と「よそ者」、地方都市に生きる若者の今がここにある

薄情 posted with ヨメレバ 絲山秋子 新潮社 2015年12月18日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 今年の谷崎賞受賞作品。絲山さんの小説は好きでよく読んでいるが、これは最近の作品では一番おもしろかった。というか、とてつもなくおもしろくて…

【書評】絲山秋子「離陸」-時間と空間、生と死…浮遊感を感じる不思議な物語

離陸 posted with ヨメレバ 絲山 秋子 文藝春秋 2014年09月11日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 絲山秋子は好きでほとんどの小説を読んでいる。ただ、この「離陸」は理解するのが難しい。だからといってつまらないわけではなく、なんだか「不…

【書評】絲山秋子「忘れられたワルツ」-日常を描きながらも怪しさや不安定さを強く感じる物語

Amazonで探す 楽天ブックスで探す 7つの物語が収録された絲山秋子の最新短編集。震災後を舞台に被災地とは少し離れた街や村を舞台にした話だ。この震災があの震災なのか何なのかはよくわからない。ただ「それ」は確かにあった。そして、人々は「その後」を生…

【書評】絲山秋子「不愉快な本の続編」-またまたラストがとんでもない!

不愉快な本の続編 posted with ヨメレバ 絲山秋子 新潮社 2011年09月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す いやぁ、絲山秋子、スゴいなぁ。いったいどこに行こうとしてるのだろう、この人。冒険する作家というか挑戦する作家というか。皆さん、当…

【書評】絲山秋子「末裔」-命の連なりとその末端にいる自分を考えてしまう不思議な物語

末裔 posted with ヨメレバ 絲山秋子 講談社 2011年02月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 不思議な魅力にあふれた物語だ。絲山秋子の小説はそう感じるものが多いのだがこの「末裔」は特に魅力的だ。まずは冒頭、主人公である省三の自宅玄関の…

【書評】絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」-ここから絲山秋子が始まった!そんな思いを強くする傑作

イッツ・オンリー・トーク posted with ヨメレバ 絲山 秋子 文藝春秋 2006年05月10日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 女性では宮部みゆき、川上弘美、佐藤多佳子などが好きな小説家だが、絲山秋子はなんだか特別な存在、という気がしている。…

【書評】絲山秋子「妻の超然」-三話三様の超然がたまらなくおもしろい

妻の超然 posted with ヨメレバ 絲山秋子 新潮社 2010年09月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す いやいやいや、絲山秋子は大好きな作家だが、この新作はまたまたおもしろい。まずは「超然」ありき。それをキーワードにして作られた3つの短編、…

【書評】絲山秋子の「スモールトーク」-くされ縁みたいな男と女のやりとりが何ともおもしろい

スモールトーク posted with ヨメレバ 絲山 秋子 KADOKAWA 2008年02月23日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 自慢じゃないが免許は持っていない。車に興味がないのって何だかちょっと男としては欠陥があるみたいな感じもするのだが、どうだろう…

【書評】絲山秋子「ダーティ・ワーク」-「ばかもの」を思い出させるラスト、ほのかに見える希望が素晴らしい

ダーティ・ワーク posted with ヨメレバ 絲山秋子 集英社 2010年05月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 絲山秋子はやっぱり巧い。「ダーティ・ワーク」は全7編からなる連作短編集。といっても、実際に連作だと気がつくのは何編か読んでからだ…

【書評】絲山秋子「海の仙人」-孤独をしっかり受け止め、愛だけに逃げ場を求めていない男女の物語

海の仙人 posted with ヨメレバ 絲山秋子 新潮社 2007年01月 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す このブログではすでに「ばかもの」を紹介しているが絲山秋子は時代を代表する作家である。発表される一作一作がクオリティが…

【書評】絲山秋子「ばかもの」-不器用な男と女、彼らは生きたいと願い、愛したいと思った

ばかもの posted with ヨメレバ 絲山秋子 新潮社 2008年09月 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 絲山秋子という小説家の素晴らしいところ、それは文体をそれぞれの内容に合わせてガラリと変えてくること。リアルなストーリ…