また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評・感想、出た本出る本など、本関連の最新ニュースを届けます。

■か行の作家

【書評】角田光代「私のなかの彼女」-出会いの恐ろしさ、言葉の恐ろしさを描いてスゴい小説

私のなかの彼女角田 光代 新潮社 2013-11-29売り上げランキング : 4108Amazonで詳しく見る by G-Tools ある出会いが一人の女性の人生を変えた。主人公の和歌は18歳の時に大学で出会った仙太郎と交際を続けている。彼は学生の頃からアーティストとして雑誌…

【書評】窪美澄「雨のなまえ」-希望はない、しかし、主人公たちへの共感がある

雨のなまえ窪 美澄 光文社 2013-10-18売り上げランキング : 5506Amazonで詳しく見る by G-Tools 窪美澄はリアルの作家だ。ていねいにリアルを積み重ねていくことで主人公たちが生きているその世界をくっきりと浮かび上がらせる。だからこそ、彼や彼女の言動…

【書評】小池真理子「沈黙のひと」-生きること、老いることを描いて、これは本当に見事な小説!

沈黙のひと小池 真理子 文藝春秋 2012-11-28売り上げランキング : 22560Amazonで詳しく見る by G-Tools 今年の吉川英治文学賞受賞作だ。作者自身が「生涯の勝負作」と語っただけのことはある力の入った小説。内容的にも今までの小池作品とはまったく違う。い…

【書評】木皿泉「昨夜のカレー、明日のパン」-ここには常に生と死があり、生きることへの問いかけがある

昨夜のカレー、明日のパン木皿 泉 河出書房新社 2013-04-19売り上げランキング : 1018Amazonで詳しく見る by G-Tools 「すいか」「Q10」などの夫婦脚本家木皿泉の初めての小説は8編からなる連作小説集だ。その家にはテツコという女性と彼女のギフ(義父…

【書評】窪美澄「アニバーサリー」-3世代を通して描かれた力強い「女性」史

アニバーサリー窪 美澄 新潮社 2013-03-22売り上げランキング : 7311Amazonで詳しく見る by G-Tools 「アニバーサリー」の主人公は娘と祖母ぐらいに年齢差がある2人だ。75歳で未だ現役のマタニティスイミングの指導者である晶子、その元生徒で30歳を過ぎたカ…

【書評】角田光代「空の拳」-観客たちの興奮、会場の熱気、ボクシング描写がなんとも素晴らしい

空の拳角田 光代 日本経済新聞出版社 2012-10-11売り上げランキング : 17544Amazonで詳しく見る by G-Tools 作者の角田光代は輪島功一のボクシングジムに10年も通っているそうだ。そんな彼女のボクシング小説、期待が高まる。まず何といってもいいのが試合の…

【書評】窪美澄「クラウドクラスターを愛する方法」-「家族」を通して自分を見つめる、窪美澄の新作がとてもいい

クラウドクラスターを愛する方法窪 美澄 朝日新聞出版 2012-10-19売り上げランキング : 3585Amazonで詳しく見る by G-Tools 「ふがいない僕は空を見た」の窪美澄の最新作を読んだ。表題作「クラウドクラスターを愛する方法」と短編「キャッチアンドリリース…

【書評】角田光代「かなたの子」-もののけや魔物が恐ろしいのではない。人間が恐ろしい!

かなたの子角田 光代 文藝春秋 2011-12売り上げランキング : 38304Amazonで詳しく見る by G-Tools 角田光代の泉鏡花文学賞受賞にはちょっと驚いた。幅広い分野の書き手であるのは知っていたが、僕が読んだ中には鏡花的な作品はなかったからだ。対象は「ロマ…

【書評】小林信彦「四重奏 カルテット」-互いが響き合い相乗効果を生み出す4つの物語

四重奏 カルテット小林信彦 幻戯書房 2012-08-11売り上げランキング : 46172Amazonで詳しく見る by G-Tools すでに世に出ている4つの中編をひとつのテーマでまとめた作品集だ。すべて実名で書かれた「夙川事件」、そして「半巨人の肖像」「隅の老人」「男た…

【アンソロジー】窪美澄他「あのころの、」-6人の女性作家が「女子高生」を描いたアンソロジー

あのころの、 (実業之日本社文庫)窪 美澄 瀧羽 麻子 吉野 万理子 加藤 千恵 彩瀬 まる 柚木 麻子 実業之日本社 2012-04-05売り上げランキング : 77588Amazonで詳しく見る by G-Tools 6人の女性作家による「女子高生」をテーマにしたアンソロジー。窪美澄以…

【書評】金原ひとみ「マザーズ」-ただただ圧倒される3人の母親の物語

マザーズ金原 ひとみ 新潮社 2011-07売り上げランキング : 17974Amazonで詳しく見る by G-Tools 零歳児一弥の母である主婦の涼子、2歳の女の子輪の母である作家のユカ。そして、3歳になる弥生の母、モデルの五月。「マザーズ」は同じ保育園に子供を預ける…

【書評】窪美澄「晴天の迷いクジラ」-リアリティが支える言葉の力

晴天の迷いクジラ窪 美澄 新潮社 2012-02-22売り上げランキング : 638Amazonで詳しく見る by G-Tools 「ふがいない僕は空を見た」の窪美澄待望の新作だ。この物語には3人の男女が登場する。1人はデザイン会社でハードワークを重ねるうちにいつしか軽い鬱に…

【映像化】映画「ふがいない僕は空を見た」、主演は?

先日お知らせした「ふがいない僕は空を見た」の映画化ですが、公開は2012年秋になるようです。そうかぁ、まだちょっと先だなぁ。注目の主演ですが永山絢斗と田畑智子に決定。ふむ、なるほど。いいんじゃないでしょうか。さらに期待は高まります。監督はタナ…

【BOOK NEWS】窪美澄、待望の2作目は来年2月発売!!

名作「ふがいない僕は空を見た」の窪美澄の新作が来年2月に出ます。お~ついに!これでまたまた大きな賞を取るんですかね。あの賞とか。いいぞ、いいぞ。この小説の第一章は「yom yom」の前号で発表され、第二章は新発売の「yom yom vol.23」で読むことがで…

【映像化】窪美澄「ふがいない僕は空を見た」映画化だぞっ!

ふがいない僕は空を見た窪 美澄 新潮社 2010-07売り上げランキング : 842Amazonで詳しく見る by G-Tools 去年の僕のベスト1小説、窪美澄の「ふがいない僕は空を見た」がなんとなんと映画になるらしい。まだエキストラ情報ぐらいしかネットでは出てないが、…

【書評】北村薫「鷺と雪」-この大団円のためにすべてがある

鷺と雪 (文春文庫)北村 薫 文藝春秋 2011-10-07売り上げランキング : 891Amazonで詳しく見る by G-Tools 北村薫が直木賞を取ったこの「鷺と雪」はいわゆる「ベッキーさんシリーズ」の第3作で最終章だ。僕は1、2作目を文庫で読んでいたのだが、その受賞が…

【書評】川上弘美「神様 2011」-「あのこと」を経験した後の私たちの物語

神様 2011川上 弘美 講談社 2011-09-21売り上げランキング : 824Amazonで詳しく見る by G-Tools 川上弘美の話題作であり、問題作。「神様」と「神様 2011」が収録されている。「神様」は1994年にパスカル短篇文学新人賞を取った彼女のデビュー作。まずはこれ…

【書評】小林信彦「流される」-戦後の時代の空気が伝わって来る、自伝三部作最終章

流される小林 信彦 文藝春秋 2011-09売り上げランキング : 36239Amazonで詳しく見る by G-Tools 「流される」は「東京少年」「日本橋バビロン」に続く小林信彦の自伝的三部作の最終章だ。疎開など敗戦前後を描いた「東京少年」、実家の和菓子屋の衰亡を描い…

【BOOK NEWS】「yom yom」最新号、窪美澄「ソラナックスルボックス」を読む

yom yom (ヨムヨム) 2011年 10月号 [雑誌]新潮社 2011-09-27売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools いい。まずは気負いがないのがとてもいい。熱は帯びているけれどヘンな気負いはまったく感じられない。デビュー作「ふがいない僕は空を見た」…

【BOOK NEWS】「yom yom」最新号に窪美澄の新作登場!

yom yom (ヨムヨム) 2011年 10月号 [雑誌]新潮社 2011-09-27売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools 基本的にこの手の雑誌は買わないんです。小説が載ってもあとて単行本化されるでしょ?しかも、けっこう手が入ったりするから元と変わってくる…

【書評】上林暁「聖ヨハネ病院にて」-表題作の夫婦のありようがなんとも愛おしい

聖ヨハネ病院にて・大懺悔 (講談社文芸文庫)上林 暁 講談社 2010-11-11売り上げランキング : 321525Amazonで詳しく見る by G-Tools 夏葉社から出た「星を撒いた街」を読み、もう少し上林暁を読んでみたいと思った。現状で一番手に入りやすいのがこの講談社文…

【書評】川上弘美「天頂より少し下って」-「女性としての人生」がほんわかと垣間見えて来る7編の短篇集

天頂より少し下って川上 弘美 小学館 2011-05-23売り上げランキング : 25165Amazonで詳しく見る by G-Tools 川上弘美の小説は地表から5cmぐらい浮かび上がっている。浮かび上がってはいるが、けっして地表とつながってないわけではない。浮かんだふりをしな…

【書評】上林暁「星を撒いた街」-読めば読むほど味わい深く、読めば読むほどイメージが広がる

上林暁傑作小説集『星を撒いた街』上林暁 山本善行 夏葉社 2011-07-04売り上げランキング : 13750Amazonで詳しく見る by G-Tools 私小説作家である上林暁の作品集が「昔日の客」の夏葉社から出た。上林は名前は知っていたが読んだことはない作家。こういう形…

【書評】角田光代「夜をゆく飛行機」-家族の変わらぬ時と変わりゆく時を描いて見事な物語

夜をゆく飛行機 (中公文庫)角田 光代 中央公論新社 2009-05売り上げランキング : 115573Amazonで詳しく見る by G-Tools 2006年の作品で文庫化もされている小説だが良い評判を聞いたので読んでみた。明るいトーンの家族小説というスタイルにまず惹かれる。物…

【書評】金城一紀「レヴォリューションNo.0」-マグマの部分を描ききれていないはがゆさ

レヴォリューションNo.0金城 一紀 角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-01売り上げランキング : 40852Amazonで詳しく見る by G-Tools 金城一紀は寡作な作家だが、つまらない小説は書かない。これまでの6作はどれもおもしろかったし、脚本を書…

【書評】木皿泉「Q10シナリオBOOK」-大きなウソがあるからこそキチンと描ける青春の物語

Q10シナリオBOOK木皿 泉 双葉社 2011-01-19売り上げランキング : 1654Amazonで詳しく見る by G-Tools ドラマのシナリオ本はけっこう読んでいる。倉本聰と向田邦子のものが多い。この木皿泉もそうだが、彼らのシナリオは絵がついてももちろんなのだが…

【書評】川上弘美「神様」-魂が浮き上がるような不思議な読後感

神様 (中公文庫)川上 弘美 中央公論新社 2001-10売り上げランキング : 45561Amazonで詳しく見る by G-Tools かなり前、たぶんこの本が単行本で出た頃、評論家の小谷野敦が「理性がまひする面白さ」とこの小説のことを誉めていた。ふ~~~~ん、と思ったが、…

【書評】窪美澄「ふがいない僕は空を見た」-主人公たちがいる場所のまっただ中からこの物語は発信されている

ふがいない僕は空を見た窪 美澄 新潮社 2010-07売り上げランキング : 87474Amazonで詳しく見る by G-Tools これはもしかしたら…今年のベストかもしれない。「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した短篇「ミクマリ」他4編が収められた連作短編集だが、登…

【書評】川上弘美の「風花」-ひとりの女性の魂の彷徨をしっかりと描く

風花川上 弘美 集英社 2008-04-02売り上げランキング : 33856Amazonで詳しく見る by G-Tools 「真鶴」みたいなどこかとんでもないところに連れていってくれる小説もいいが、川上弘美はリアルな恋愛小説もまたいい。匿名の電話で夫の浮気を知らされる妻ののゆ…

【書評】川上弘美「古道具 中野商店」-せつなくもおかしい3つの恋模様

古道具 中野商店 (新潮文庫)川上 弘美 新潮社 2008-02売り上げランキング : 125418おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 川上弘美の小説にはいくつかスタイルがあるのだが、これは「センセイの鞄」に近いスタイル。個人的には非常に好きな世界だ。舞…