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【書評】佐藤正午「正午派」-お昼ピッタリにご飯を食べる人のことじゃありません!

 佐藤正午はちょっと微妙なポジションにいる作家だ。人気作家というわけではない(たぶん)。しかし、かなりの固定ファンはいる(たぶん)。熱狂的というのではなく、密かに愛してる?そんな感じ。だから、この本のタイトル、「正午派」っていうのはなかなかに正しい。「オレ、正午派」って言ってみたいんだよなぁ、ファンは。

 

 背帯には「文壇屈指の小説巧者デビュー25周年記念」なんて書いてあり、帯には「完全保存版」とか究極の「佐藤正午読本」なんて言葉がおどっている。う~む、そうか佐藤正午、あの名作「永遠の1/2」から四半世紀も書き続けてきたのか…。この本には小説家以前からの年譜も入ってるので、彼の軌跡をたどってみるのもなかなか楽しい。しかも、単行本未収録の原稿や名作「Y」の幻の映画脚本まで収められている。この脚本はなかなか突っ込みどころが多い。まずい、というより「Y」って小説を映画化するのはやっかいだよなぁ、と思っちゃう。だから、ま、幻、なんだろうけど。「またひとつおりこうさんになった」という、佐藤正午が投稿に対して解答する企画がやたらとおかしい。この答えに佐藤正午のすべてがあるような気がしたりもする。この人ってある意味、村上春樹的でもあるのだよなぁ(えっ?)。

 

「Y」もぜひぜひ読んで欲しい!

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