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【ノンフィクション】沢木耕太郎「凍」-息苦しいほどのリアリティ!本を離れても2人はそこにいる

 

凍 (新潮文庫) 凍 (新潮文庫)

新潮社 2008-10-28
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 世界的クライマーである山野井泰史とこれまた女性では世界一とも評

される妻の妙子、希代のクライマー2人が難峰ギャチュンカン北壁登頂

に挑んだ数日間を描いたノンフィクション。それにしても、この克明な

記述は何だろう!2人に聞き書きしてまとめたものを読みながら、さら

に手を入れる、こんな作業を何度も繰り返したのだと思うとめまいがし

てくる。この本を読んでる間、読者は、本を離れている時間でも2人の

ことを忘れることができない。頭の中で彼らは、吹雪の中で垂直に近い

壁に張り付いたままだし、10センチあるかないかのところで立ったまま

ビバークしているのだ。息苦しいほどのリアリティ!

 

 クライミングのスタイルには多人数でキャンプを作りながら登頂をめ

ざす「極地法」と少人数あるいは単独で酸素ボンベも持たず一気に山頂

を目指す「アルパイン・スタイル」があるという。山野井の登り方は後

者だ。極地法にもドラマはあるだろうが、それは人間ドラマだろう。一

方、アルパインスタイルの場合は、自然とのドラマなのだ。より自由だ

がより厳しいスタイルでの登頂を目指す山野井夫妻、だからこそ、僕ら

は2人に強い共感を寄せ、彼らと共に北壁を登る。文句なしの傑作!!

 

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