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【書評】カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」-「世界名作文学全集」に入る驚くべきレベルの完成度の高さ

 

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
土屋政雄

早川書房 2008-08-22
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おすすめ平均

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 解説で柴田元幸氏がこの小説は「細部まで抑制が利いていて、入念に

構成されていて、かつ我々を仰天させてくれる、きわめて希有な小説」

と書いている。カズオ・イシグロの最高傑作と言われるこの長編は本当

にすごい小説だ。ただ、その抑制の利いた文章に最初はいらだつ人がい

るかもしれない。しかし、この文章があってこそ主人公たちの哀切な青

春が見事に浮かび上がってくることも確かなのだ。

 

 そして、その内容。これもちょっと言うことができない。そんなに終

盤ではなく、主人公たちが何者なのかはわかるのだけど、やっぱりこれ

はまっさらな、何も情報がないままで読んだ方が絶対にいい。そういう

物語だ。たとえばここに登場するのは「提供者」と呼ばれる人々、彼ら

を助ける「介護人」、「保護官」と呼ばれる教師たち。主人公は「提供

者」たちがいる施設ヘールシャムの生徒であるキャシー・H(彼女は後

に優秀な介護人になる)、その親友のルースとトミー。青春のただ中を

生きる彼らを待つ残酷過ぎる運命とは…。ルースが探す「ポシブル」と

は…。この物語はSF的な要素を含みながらもその完成度はまさに「世

界名作文学全集」に入っている作品のようだ。淡々としながらも深くせ

つないラストがたまらない。

 

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