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【コミック】高野文子「黄色い本」-すべての本好きに!主人公は「チボー家の人々」を読み続ける少女

 

黄色い本 (アフタヌーンKCデラックス (1488)) 黄色い本 (アフタヌーンKCデラックス (1488))

講談社 2002-02-20
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 僕の場合、好きな漫画家は岡崎京子、大島弓子、高野文子、よしなが

ふみとなぜか女性ばかりである。この4人は甲乙つけがたいが高野文子

のコミックはちょっと特別という気がしている。

 

 「黄色い本」は出版されている作品としては最新作。といっても初版

は2002年だからすでに8年が経つ。寡作の人である。そして、高野文

子は、オンリーワンの作家である。我が道を行くというか、孤高の人と

いうか、彼女の「表現」はまさにオリジナルのものだ。フォロワーある

いはチルドレンは出てきてはいるが、今だ足元にも及びはしない。

 

 さて、「黄色い本」。全4作だがやはり表題作がずば抜けていい。黄

色い本というのは白水社版の「チボー家の人々」のことで知る人ぞ知る

「黄色本」だ。主人公である田家実地子は就職を控えた高3生、この作

品の中で彼女は最初から最後までずっと図書館で借りた「チボー家の人

々」全5巻を読み続けている。学校でも家でも登下校のバスの中でも。

無類の本好きの彼女は、この長い長い物語を読むうちに小説の登場人物

ジャックにシンパシーを寄せていく。そして、いつの間にか自らも物語

の世界に入って行く。ジャックと言葉を交わす実地子、革命家たちの真

ん中で檄を飛ばす実地子…。彼女がいるのは昭和の時代のいなかの村で

ある。ジャックがいるのは第一次世界大戦前のフランス。時空間を超え

て2人の思いが交錯する。繊細で痛々しいような感受性を持つジャック、

そして、実地子の心もまた。

 

 高野文子の表現は、次元をヒョイと越えたり、平凡な日常の一瞬をス

パッと切り取ったり、なんとも軽快で自在。それでいて、主人公の気持

ちがしっかりと伝わってくる。すべての本好きにおすすめのコミック。

それにしても高野さん、書き下し新作なんてファンが狂喜乱舞する本を

出したりしませんかね。お持ちしておりますよ。

 

 

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