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【スポーツ/書評】千田善「オシムの伝言」-監督と通訳を越えた信頼関係から生まれた傑作!

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 191cmのオシムさんと小柄な千田通訳が笑顔で話している表紙の写真がいい。この写真からだけでも監督と通訳以上の信頼関係がうかがえる。実は千田さん、プロの通訳ではない。セルビア・クロアチア語を話せたからたまたまオシムさんの通訳になっただけで、実際は大学の講師も務める国際ジャーナリスト。「ユーゴ紛争」なんて著書もある。だから、この本はジャーナリストの目で書かれた監督オシム、人間オシムのリポートなのだ。

 

 ここでは、オシムさんの監督就任から、病に倒れ、最終的に離日するまでの日々が語られる。もちろん通訳としての話もあるが一番の話題はオシムさんその人だ。彼のサッカー人生、サッカー哲学、その人柄などなど、いくつものエピソードをもとに語られるオシムという人は僕らが感じている通り、卓越したサッカー理論を持ち、こまやかな心配りと大きな心、そして、たぐいまれなるユーモア精神を持つインテリジェンスに富んだ人物である。

 

 千田さんのジャーナリストとしての目がイビチャ・オシムという人間を的確に捉えている。後半3分の1は初めて明かされる事も多い闘病の日々の記録だ。その時の家族、妻のアシマさんや長男アマル氏の姿、覚醒してからのオシムさんの対応が胸を打つ。すべてのサッカーファン、オシムファンにすすめたい一冊だ。

 

公式サイトあり>>http://info.osimnodengon.com/

              

 2010.7.18 いやぁ、暑い。暑い梅雨が終ったら超暑い夏、いったいどうなることやら。犬の散歩は夕方に1時間半弱。ジャックラッセルテリアは運動量が多くてなかなか大変なのだ。あ、ブルータスの最新号スタジオジブリ特集がなかなかいい。

 

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