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【書評】俵万智 一青窈「短歌の作り方、教えてください」-一青窈、暴走?万智先生は本当にやさしい!

 俵万智×一青窈の組み合わせは何とも魅力的なので、すぐに手に取った。往復書簡という形での15回の実作レッスンがあり、その間にゲストに穂村弘さんを迎えた本郷界隈の吟行と斉藤斎藤氏を迎えた題詠歌会が入っている。はてさてどうなるのか?興味津々である。

 

 「ハナミズキ」の例を挙げるまでもなく一青窈は優れた作詞家である。短歌に関してはまったく初心者と言う彼女だが、やはりどんな歌をよむのかと期待してしまう。しかし…。歌人の斉藤斎藤さんは彼女の短歌は「ところどころとぐろを巻いている」と言っている。ま、斉藤氏はほめてるのかもしれないが、ちょっと短歌をかじった程度の人間(僕です)から見ると、とぐろの巻き過ぎっ!って感じだ。

 

 では、一青さんの歌、「野次写メラー 長く伸びるは片手のキリン upupで あきはばらばら」。う~む。しかし、こんな歌にも万智先生はやさしい。すごいなぁ。そして、この後、添削かと思ったら、先生は感想を言うだけで推敲して別案を出させるのだ。初心者にいきなり推敲っていうのはなかなか難しいぞ。

 

 でも、ここで一青窈はかなり大胆に歌を変えちゃう。これは俵万智もスゴい!と驚いている。とはいえ、一青さん、先生の話をちゃんと聞いてないんじゃないか、って感じもある。そこが一筋縄にはいかないクリエイターってことなのか。ま、誰もが「うまい!」っていうような歌を作るよりは一青窈らしくていいのかもしれないが。定型に苦しみながらも最後の方ではちょっとクリア出来たような彼女であった…。読んでみると自分も短歌作れそう、とヘンな自信が湧いてくる一冊である。

 

◎「短歌の作り方、教えてください」は2014年1月、角川ソフィア文庫で文庫化されました。

2010.7.22 猛暑日、ってあるんだ。昨日は猛暑日、今日も猛暑日?それで気づいたのだが、熱帯夜ってなかなかのネーミングだな。熱帯夜の上は何かな?いやいやそんなこと考えててホントになっちゃったら困る。

 

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