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【書評】佐藤多佳子『しゃべれどもしゃべれども』-会話が苦手な男女が落語志願?人間関係に悩む人におすすめの一冊

 

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫) しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子

新潮社 2000-05
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おすすめ平均

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 佐藤多佳子はこれまで4冊紹介してきたが、なぜか「しゃべれどもしゃべれども」がまだだった。この小説はすでに映画にもなったが、何とも小気味良く、しかも、ハートにグッと来る傑作小説だ。小気味の良さというのは、主役の男、今昔亭三つ葉が二ッ目の落語家だから。彼の言葉で語られる小説なので、テンポが悪くてはどうしようもない。ポンポンポンと短い言葉を放り出すように語っていく文体が素晴らしい。これ、簡単そうだが、やはり「技」が必要。佐藤多佳子にはユニークな観察眼や表現力もあり、物語は気持ちよく盛り上がる。

 

 まだぺーぺーの落語家である三ツ葉の元になぜか落語を習いたいと四人の男女が集まってくるという設定がおかしい。しかも、彼らはそろって問題児。一人は対人恐怖症でテニスコーチを辞めた男、一人は口べたで大失恋をした女、一人は大阪から転校しいじめにあってるらしい小学生、そして最後はマイクの前だと本音でしゃべれない元阪神の野球解説者。彼自身も壁にぶちあたってる三ツ葉は彼らを見事に更生させられるのか?

 

 これは会話が苦手で人とうまくつき合うことができない心優しき人々の物語だ。そんな彼らが最後にたどり着くのは…。ラストにふたつの山場があるのだが、どちらもなんだかジーンときて胸がいっぱいになってしまう。しかも、自分もがんばらなくちゃ!という思いが激しくわいてくるのだ。人間関係に悩む多くの人におすすめの一冊だ。

 

2010.8.15 敗戦の日。あ~~~今日は蒸し暑かったぁ。夜になってもムシムシしてる。たまらんなぁ。あ、佐藤多佳子はそろそろ「第二音楽室」という新作が出るみたいですよ。これは楽しみ。

 

追記→「第二音楽室」で検索してくる方が増えてるようです。すみません、この小説は今ラインナップから消えています。また発売日がわかったらこのブログで紹介しますね。どうぞよろしく!

 

追記→e-honにチラッと出て予約受付終了かなにかでまた消えてしまったのですが、「第二音楽室」は文藝春秋から11月中旬に発売予定のようです。アマゾン等にも出たらトップページでおしらせしますね。(2010.10.15)

 

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