また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、出た本出る本など、本関連の最新ニュースを届けます。

小気味良さがうれしい佐藤多佳子『しゃべれどもしゃべれども』。

会話が苦手な四人の男女がなぜか落語志願。

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子

新潮社 2000-05
売り上げランキング : 12089
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 佐藤多佳子はこれまで4冊紹介してきたが、なぜか「しゃべれどもし

ゃべれども」がまだだった。この小説はすでに映画にもなったが、何と

も小気味良く、しかも、ハートにグッと来る傑作小説だ。小気味の良さ

というのは、主役の男、今昔亭三つ葉が二ッ目の落語家だから。彼の言

葉で語られる小説なので、テンポが悪くてはどうしようもない。ポンポ

ンポンと短い言葉を放り出すように語っていく文体が素晴らしい。これ、

簡単そうだが、やはり「技」が必要。佐藤多佳子にはユニークな観察眼

や表現力もあり、物語は気持ちよく盛り上がる。

 まだぺーぺーの落語家である三ツ葉の元になぜか落語を習いたいと四

人の男女が集まってくるという設定がおかしい。しかも、彼らはそろっ

て問題児。一人は対人恐怖症でテニスコーチを辞めた男、一人は口べた

で大失恋をした女、一人は大阪から転校しいじめにあってるらしい小学

生、そして最後はマイクの前だと本音でしゃべれない元阪神の野球解説

者。彼自身も壁にぶちあたってる三ツ葉は彼らを見事に更生させられる

のか?

 これは会話が苦手で人とうまくつき合うことができない心優しき人々

の物語だ。そんな彼らが最後にたどり着くのは…。ラストにふたつの山

場があるのだが、どちらもなんだかジーンときて胸がいっぱいになって

しまう。しかも、自分もがんばらなくちゃ!という思いが激しくわいて

くるのだ。人間関係に悩む多くの人におすすめの一冊だ。

               ◯ ◯

2010.8.15 敗戦の日。あ~~~今日は蒸し暑かったぁ。夜になっても

ムシムシしてる。たまらんなぁ。あ、佐藤多佳子はそろそろ「第二音楽

室」という新作が出るみたいですよ。これは楽しみ。

追記→「第二音楽室」で検索してくる方が増えてるようです。すみませ

ん、この小説は今ラインナップから消えています。また発売日がわかっ

たらこのブログで紹介しますね。どうぞよろしく!

追記→e-honにチラッと出て予約受付終了かなにかでまた消えてしまっ

たのですが、「第二音楽室」は文藝春秋から11月中旬に発売予定のよう

です。アマゾン等にも出たらトップページでおしらせしますね。

(2010.10.15)

◎応援クリックぜひ1つお願いします。他の書評へもここからどうぞ!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ