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【辞書】小内一編「てにをは辞典」-これがあれば表現の幅がグッと広がる!

 まずは「てにをは辞典」ってなんだ?ってことになると思うのだが、簡単に言うと「ことばのつながりがわかる辞典」だ。例えば「認識」という言葉を引いてみる。するとその後には「▲が 甘すぎる。一致する。薄い。… ▲を 新たにする。改める。一致させる。疑う。… ▲に 差がない。従う。立つ。… ▼甘い。新たな。確実な。基本的な。… もっともっと事例は多いのだが、こんな感じの使い方例が掲載されている。(もちろん縦書き)

 

 ▲という記号は「認識」が上につく例で▼の方は「認識」が下につく例だ。言葉の意味などは全く記されていない。この使用例は編者である小内一氏が20年かけ、小説や評論、雑誌や新聞などから集めたものだ。採集した作者名のなかには阿久悠や中島みゆきなどの名前もある。いやぁ、これは労作ですよ。本当に便利だし、見てるだけでも楽しくなって来る。

 

 使い方はいろいろだが、次の2つが一番重要。まずは「使い方が正しいかどうか確かめるられる」。文章書いてて、な~んか違うな?と思うことが時々ある。そんな時、僕はGoogleにその表現を入れてみて、ヒットが多ければ安心するのだが、その場合、みんなが間違ってる、ということもありえる。その点、この辞書を使えば安心だ。

 

 2つめは「表現の幅が大きく広がる」ということ。たとえば一つの文で同じ言葉を使った表現を繰り返す場合がある。まったく同じというのはみっともないしやりたくないのだが、どうしても思い浮かばない時もある。そんな時にこそこの辞書の底力が発揮されるのだ。お~そうか、そうか、こういう言い方があったのか!と驚くこともしばしばだ。書く仕事をしている皆さんはもちろんだが、最近はブログやツイッターなど素人でも表現の場が広がっている。そんな時の一助になることは間違いなし。一度使うと手放せなくなる辞典だ。

 

2011.3.6 bk1の「今週のオススメ書評」に川上弘美「風花」が選ばれました。「今週のオススメ書評」は、こちらから見られます。

 

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