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【アート】朽木ゆり子「盗まれたフェルメール」-事実は小説より奇なり!まるで映画を見てるようなおもしろさ

盗まれたフェルメール (新潮選書) 盗まれたフェルメール (新潮選書)
朽木 ゆり子

新潮社 2000-03
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 慎重派の意見では現存するのは32点、というヨハネス・フェルメールの絵。近年、日本では彼の絵が何作もやってきており、今も渋谷で「地理学者」を見ることができる。2000年出版のこの本を含め朽木ゆり子さんの著作は、日本のフェルメールブームに大きな影響を与えていると言っても過言ではないだろう。

 

 新潮選書の『盗まれたフェルメール』は希少価値だからこそ絵画泥棒たちの標的になりやすい彼の絵と何度か繰り返された盗難の顛末がくわしく書かれていて、知的好奇心をくすぐる一冊だ。美術品がなぜ盗まれるのか、著者はその理由を幾つかあげ、事例付きで紹介しているのだが、興味深いもののひとつは「買い戻し金、報奨金めあて」というもの。もし、その絵に保険が掛かっていたならば、保険会社はとんでもない額の保険金を払わなくてはならない。そこで窃盗犯が保険会社と裏取引をし、保険金よりはグンと少ない買い戻し金で手をうつ、というのだ。この交渉はもちろん表に出てきたりはしない。

 

 さらに、著者がアート・テロリストと名付けた「政治的理由によるもの」も近年の流行?らしい。その幕開けというべきものが、1974年にロンドンとアイルランドで連続して起こったフェルメールの盗難事件だ。犯人は、獄中のIRAテロリストの故郷への移送を要求、結局、犯人の一人が逮捕され、絵も戻ってくるのだが、事実は小説より奇なり!一連の騒動はまるで映画を見てるようなおもしろさだ。

 

 この本に書いてある盗難美術品データベースによると、出版当時、盗難品リスト第一位にあがっていたのはピカソで385点!次はミロの276点、シャガール249点、ダリ186点…。行方不明の名画がこんなにあるとは。そして、戻ってくるのは1割程度というから、本当に驚きだ。フェルメールファン、絵画ファンにおすすめの一冊。

 

            

2011.3.9 昔は何冊か平行して本を読むことができたのだけど、今はダメだなぁ。というわけで積ん読本が増えるばかり。「関口良雄さんを憶う」がおいでおいでしてるが、もう少し時間がかかりそう。

 

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