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【コミック/感想】雲田はるこ「昭和元禄 落語心中」-ムショ帰りの若者が昭和の名人の弟子に!?

 このブログでは尾瀬あきらの「どうらく息子」を紹介したが、またまたおもしろい落語コミックに出会った。現在2巻目まで出ている雲田はるこの「昭和元禄 落語心中」だ。

 

 昭和最後の大名人といわれる八代目の有楽亭八雲。彼の元にムショ帰りの若者が弟子入り志願でやって来る。けっして弟子など取らなかった八雲なのだが何ともあっさりとこの若者を受け入れる。誰が呼んだか、その名は与太郎。ドラマならば香取慎吾あたりが演じたらおもしろそうなドジだが落語に対する情熱だけはスゴい男だ。八雲の家には、同門の親友で若くして亡くなった希代の天才有楽亭助六の遺児小夏もいる。彼女は、父親が死んだのは八雲のせいだと思っており…。1巻目はプロローグ的に八雲と与太郎、八雲と小夏の関係が語られる。弟子になったものの与太郎は噺のひとつも教えてもらえず、なぜか小夏に稽古をつけてもらったりしてるのだ。

 

 2巻目の最初、早速、破門されそうになる与太郎。八雲はそんな彼に「破門しねぇ代わりに なァ与太郎?」「アタシ達ゃあ みつつ 約束しなけりゃならないよ」と言い放つ。与太郎も仰天するその約束とは?そして、師匠が語り始める、盟友助六との青春の物語。助六の死が最後にあるだけに、2人の入門にまで遡ったこの青春譚、どう展開していくのか非常に楽しみだ。

 

 それにしても、雲田はるこ!キャラがしっかり立っているし、ストーリーテラーとしての力がある。文句なく落語好きであることもうれしい。しかし、3巻の発売は今秋とか。あぁ、とてもじゃないが待ちきれない!

 

2012.5.18 金環食グラス、買っちゃったぁ。だから、晴れてくださいね。読書は窪美澄ほかの「あのころの、」

 

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