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【絵本/感想】パウル・クレー・谷川俊太郎「クレーの天使」-天才×天才、これは時空間を超えた見事なコラボだ

 少し前に紹介した「クレーの絵本」はクレーの絵と谷川俊太郎の詩が見事に融合していて素晴らしかったが、同様の企画でもう一冊あった。じゃじゃじゃ〜ん「クレーの天使」!!!!これがまたまたいいんですよぉぉぉ。

 

 クレーの絵の中でも最も有名な「天使シリーズ」。その中の45点と谷川さんが書き下ろした天使を歌った詩17編。これは「クレーの絵本」よりさらにクオリティが高い。というより、「天使シリーズ」って本当にすごい、と改めて思った。こんな線、誰にも描けない。というか、こういう絵を描くクレーが恐ろしい。知らない人も、この表紙の絵を見ただけでも分かってもらえると思う。

 

 谷川俊太郎の詩は、その天使たちの中にあるものを直感的に探り当てて言葉にしている。まさに天才的である。「クレーの天使」は、時空間を超えた天才×天才のコラボ、と言ってもけっして言い過ぎではない。では、先回同様、お気に入りの詩をひとつ。

  

ミス・エンジェル

 

 

なにひとつうみおとさなかった

このよには

 

それなのにいつも

はらんでいた

めにみえぬもの

 

おんなになってはいけないのに

はなばなにちちをふくませ

そよかぜのことばであいをささやき

おとこたちのあたまのうえをとびまわり

ほしにほほえみかけた

 

あのよに

こびて

 

 

◯谷川俊太郎関連の本のレビュー等はこちら

   

2014.8.2 いやいやちょっと暑いではないか。8月ではないか。ううむ。読書は角田光代「平凡」。この人はやっぱりすごいなぁ。

 

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