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【絵本/感想】ヨシタケシンスケ「ぼくのニセモノをつくるには」-そうか、「ぼく」ってなかなかおもしろいんだ

 「りんごかもしれない」のヨシタケシンスケの2冊めの絵本だ。装幀も「りんご〜」と同じスタイルでなんだかいい感じ。「りんご〜」はシンプルに楽しめる絵本だったけれど、これはちょっとだけ違う。でも、やっぱりおもしろい。

 

 ある日、「ぼく」はひらめいた。宿題やお手伝いや部屋の掃除、みんなみんなめんどくさい。だから「ぼくのニセモノを つくって そいつに ぜんぶ やってもらおう!」と。そして、「ぼく」ことよしだけんた君はこづかいを全部使ってセール中のロボットを一台買ってしまうのだ。けんた君の作戦を聞いたロボットは言った。「じゃあ、あなたのこと、くわしくおしえてください」、さてさてどうなる??

 

 名前や住所から始まって、いろんな「ぼく」が語られていく。好きなものは「あじつきのり」だったり、できないことは「ポテトチップスのふくろをあける」ことだったり。そのひとつひとつにヨシタケさんのあのフニャラフニャラしたイラストが付いているのでやたらとおかしい。ロボットはまだまだまだとしつこく聞く。そんな中でけんた君は「ぼくのなかには ちいさいころのぼくも ぜんぶ はいっているんだとおもう。」なぁ〜んてことも考えちゃう。

 

 ロボットはうまくけんた君のニセモノになれるのか?これは「ぼく」ってなんだかおもしろい、「ぼく」ってなかなかすごいんだ、そんなことを読むものに感じさせてくれる大人も子供も楽しめる絵本。ヨシタケシンスケはやっぱりスゴい。

 

◯ヨシタケシンスケのその他の本のレビューなどはこちら

 

2014.10.23 入院していた妻は明日退院の予定。よかったよかった。読書は糸井重里・早野龍五「知ろうとすること。」。

 

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