今、一番気に入ってる絵本作家、ミロコマチコである。「ぼくのふとんはうみでできている」、これもまたまたブッ飛んでいる。彼女、絵が大迫力でスゴいのはもちろんなのだけど、発想がどの絵本もとんでもない。さらに、読む者を別次元まで連れて行ってくれる驚くべき展開力!こんな話、一体全体どこから生まれてくるのだろう?
ふかくてひろいうみで出来ているぼくのふとん、「でんきのつき」に「まくらのくも」。ねこのシロと一緒に寝ると、あれあれあれ、なんだか不思議な出来事が!夢と現(うつつ)を行き来しながら、ぼくのふとんは「もぞもぞ にゃあにゃあ」と動いてる「ねこ」のふとんになったり、「あまーい いいにおい」のパンのふとんになったり。ゾウさんが持ってきたおおきな森のようなふとんにも変身する。混沌のまっただ中にいるようなその世界で生き物たちの息吹を感じ、生きていることの喜びを感じる。
自分の想像力の翼がぐぐぐ〜〜んと広がっていくのが実感できるのは本当にうれしいものだ。ミロコマチコの絵はすべてを越えて読む者の心に迫ってくる。誰もこの波状攻撃を避けることはできない。うみのふとんに溺れながらなんだか幸せな自分がいる。
◯ミロコマチコのその他の本のレビューはこちら
2015.3.16 うむうむ、春は近いぞ。読書は上橋菜穂子「鹿の王」下巻と小池真理子「千日のマリア」を併読中。僕としては珍しい。
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