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【書評】額賀澪「屋上のウインドノーツ」-互いの存在が、そして音楽が育てる夢を見る力!

 

屋上のウインドノーツ 屋上のウインドノーツ
額賀 澪

文藝春秋 2015-06-26
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 今年、本作で松本清張賞、「ヒトリコ」で小学館文庫小説賞をW受賞

して話題になった額賀澪。この2冊が実質的なデビュー作なのだからな

んだかスゴい。実際読んでみると、本当に達者な書き手だということが

よくわかる。僕はデビュー当時の宮部みゆきを思い出しました。あ、松

本清張賞って推理小説の賞かと思ったら、最初は「推理小説または歴史・

時代小説」というしばりがあったのだけど、今は「長篇エンターテイメ

ント作品」と間口を広げてる。なるほど。

 

 「屋上のウインドノーツ」の主人公は、中学時代、クラスメイトとう

まくなじめず、ただ一人の友だちに頼って生きてきた少女・志音。急死

した父がやっていたドラムに興味を持った彼女が、高校入学後、吹奏楽

部に入ることになる。部長の大志が志音がエアドラムをやってるところ

を見つけ誘ってくれたのだ。

 

 物語はかたくなだった志音がしだいに変わっていく様子と中学時代の

部活でのトラウマを引きずる大志の話が交互に描かれる。互いの存在が、

そして音楽が、挫折や逆境を乗り越える力になり、夢見る思いを育てて

いく。彼らにとっての夢とは東日本大会という大きな大会に出ることだ。

額賀澪は、吹奏楽部の部員たちや家族など周りの人間もしっかり描く。

そのことで、2人の心の変化がより鮮やかに見えてくる。うまいなぁ。

新人だけに荒削りのところももちろんある。高3で受験のことはいいの

かよ、と思ったり。でも、この小説なかなかいいぞ。(No.336)

 

◯特設サイトがありましたこちら

 

            ◯ ◯

 

2015.9.1 9月になっちゃった。これからまた一仕事。錦織負けちゃ

ったんだなぁ。ううむ。読書はカズオ・イシグロ「忘れられた巨人」。

 

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