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【書評】池井戸潤「下町ロケット」-常に対立を作り出す池井戸潤小説の魅力満載!

 

下町ロケット (小学館文庫) 下町ロケット (小学館文庫)
池井戸 潤

小学館 2013-12-26
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 直木賞受賞作。池井戸潤は原作のドラマはけっこう見てるが、小説を読むのはこれが初めて。累計でもう100万部以上売れてるんだなぁ。すごい。この小説、下町の工場がなんとロケットを作って打ち上げちゃうという話かと思ったらちょっと違った。ま、そうですよね、ロケットなんてそうカンタンにはできない。

 

 冒頭はロケットの打ち上げシーン。クライマックスを最初に持って来たのかな、と思ったらこれも違った。この話の主人公佃航平は、このロケットの打ち上げ失敗で技術者の道を諦め、実家である町工場を継いで社長になっている。佃製作所というこの会社、技術力には定評があるのだが、物語の前半では、大きな取引先から取引終了を告げられたり、大手メーカーからいわれもない特許侵害を訴えられたりと散々で会社としても窮地に追い込まれる。ロケットはどうした?と思っていると国産ロケットを開発する帝国重工という大企業から佃製作所が持っているエンジンのバルブシステムの特許を売って欲しいと連絡が入る。社員たちは小躍りするのだが、佃は…。

 

 おもしろくなるのはここからだ。池井戸潤が巧いと思うのは、常に対立を作り出していること。それも敵対味方という単純なものではなく、敵の中に味方が現れたり、味方の中に敵がいたりする。そして、ある劇的なポイントがあって、そこでいろいろなことが裏返る。これは他の原作ドラマでも感じていたことだ。さすがヒットメーカー!読者が夢中になるツボを心得ている。後半はもうエンディングまでノンストップで突っ走る感じ。途中で読むのを止めるのが難しい。経営者としての自分と夢見る自分の間で葛藤する佃、そして社員たちのプライドを掛けた戦いに強く心を揺さぶられる。今度の日曜日から始まるドラマが楽しみだ。

 

◯「下町ロケット」、ドラマのホームページはこちら

   

2015.10.13 ラグビーも終わったし、いや終わってないけど日本は終戦。よくがんばったなぁ。読書、村上春樹「職業としての小説家」。

 

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