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【絵本/感想】ヨシタケシンスケ「ふまんがあります」-「ふまんがあります」には不満があります

 ブスッとした顔で少女はいう。「わたしは いま おこっている。」「なぜなら、おとなは いろいろと ズルいからだ。」「ちゃんと もんくを いって、 ズルいのを やめてもらおう」。さてさて、大好きなヨシタケシンスケの新作絵本、これはどうにも見逃せない。不満をぶつける相手はお父さん!2人のキャラがなんともいい。ヨシタケさんの絵はほよ〜んとしていて、いいのよねぇ。

 

 で、少女の大人攻撃が始まる。「どうして おとなは よるおそくまで おきているのに、こどもだけ はやく ねなくちゃいけないの?」お父さんが答える。「…ああ…それはねえ…」、少女の質問を上手にいなしながら屁理屈こねるお父さんがおもしろい。前作「りゆうがあります」もそうだけど、このあたりのやりとりがヨシタケ絵本のおもしろさ。少女はさらにさらに不満をぶっつけ、お父さんはさらにいいかげんな答えを繰り返す。おかしい。

 

 ただ、ちょっと不満が。ヨシタケさんにしてはお父さんの答えにちょっとキレがない。いつもなら、プッと吹き出したり、ギャハハとなることが多いのだけど、残念ながらそれが少ない。ど〜した、ヨシタケシンスケ。あと、不満と答えが休みなく続く構成もちょっとしんどい。ラストはなかなかいいけどね。

 

◯ヨシタケシンスケのその他の本のレビュー等はこちら

 

          

2015.11.25 いやいや勝手に11月が終わろうとしてるぞ。マズイっ。読書は長野まゆみ「冥途あり」。うむ。

 

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