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【書評】北村薫「中野のお父さん」-ちょっと軽めの謎解きが楽しい安楽椅子探偵もの

 

 円紫さんシリーズ、ベッキーさんシリーズなどの推理作家北村薫の新

しい名探偵シリーズ。探偵になるのは定年間近の高校の国語の先生、主

人公である出版社の編集者田川美希の父親だ。娘が会社で起こった出来

事や仄聞した事件、謎などを実家に持ち帰り話すと、博識の父親が見事

に解決しちゃうといういわゆるアームチェア・ディテクティブ(安楽椅

子探偵)ものだ。

 

 全8編が収録されていてひとつひとつはそれほど長くはない。個人的

には、新人賞候補になった小説の作者に美希が電話すると「投稿したの

は、一昨年」と言われる冒頭の作品「夢の風車」と雑誌に載った「宝く

じおばさん」の家に泥棒が入り空くじと知っていながら奪っていくとい

うラストの一編「数の魔術」が好き。どちらも謎が軽めの短編だ。これ

ぐらい軽いので全編まとめるのもいいと思うのだけれど…。

 

 北村薫という作家は大変な博識だと思う。特に文学についての知識は

素晴らしい。しかし、やや知の部分が勝ちすぎていてそれが鼻についち

ゃう作品も時々ある。いやいやそれがいいのよ、という人も文学好きに

は多いかもしれない。この本でいうなら宝井其角や幸田露伴、落語や歌

舞伎へと話が広がっていく「闇の吉原」はそういう一編だろう。なんだ

かんだといいながら僕もそういうのも楽しく読むのだけれど、同時にち

ょっとなぁ、と思ったりもするのだ。さて、皆さんはどうですか?

 

 

◯北村薫のその他の本のレビューはこちら

 

            ◯ ◯

 

2016.6.15 舛添氏、辞職するらしい。ちゃんと百条委員会開いて真相

究明を図って欲しい。読書は盛田隆二「父よ、ロング・グッドバイ」。

 

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