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【書評】小泉今日子「黄色いマンション 黒い猫」-こんな瞬間を心にずっと留めておいて文章にできるなんて!

 

  雑誌「SWITCH」の2007年4月号から今年の1月号まで連載されていたエッセイ「小泉今日子 原宿百景」の中の33篇と書き下ろし1篇を再構成したもの。ここ2〜3年のものをまとめた、というのではないので昔の文章を載せる時点でタイムラグが生じる。さらに、そこで書かれているのは小学生の頃や中学生の頃、デビューの頃の話だったりするからさらなるタイムラグが起こる。

 

 キョンキョンがすごいのは、昔のことを書くときに普通の人なら「私が中学生の頃」とか、そういう書き出しになるところを、まさにその真っ只中から書き始めるところだ。そして、まるでワープするかのように「書いている今」に戻ってくる。こういう文章は書けそうだがなかなか書けない。しかも、彼女の場合、その内容が素晴らしくおもしろい。母ユミさんのこと、姉さんたちのこと、恋人のこと、友人たちのこと、マネージャーのこと、などなど。少しもカッコつけず、気持ちがストレートに伝わってきて本当に読んでて気持ちいい。

 

 「雨の日の246」という大好きな一編。若い頃のボーイフレンドが、「雨の日の246ってキレイだよね」ってドライブ中に彼女に言う。そんなこと考えたこともなかったキョンキョンはその時、「閉じていた瞳がやっと開いたような気がした」と思う。その後に綴られた彼女の思いもすごい。こんな瞬間を心にずっと留めておいて文章にできるなんて!コイズミってなんて素敵でかっこいいんだろう。あとはまぁ読んでくださいよ。うむ。

 

◯彼女を特集した「MEKURU」のVOL.7が素晴らしかったので、こちらもぜひ。周囲の人間の証言を通して浮かび上がるコイズミ像がなんともいいのです。

 

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2016.7.8 参院選アンケートで若い人の保守化が目立ってる。結局、

自分に返ってくるのに…やれやれ。読書は宮部みゆき「希望荘」。

 

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