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【書評】宮部みゆき/文 佐竹美保/絵「ヨーレのクマー」-寓話性に富んだ美しく悲しい物語!宮部みゆきファン必読

 うううううううーん、これはすごい。本当に素晴らしい。フィヨルドのそばにあるヨーレという町が舞台。クマーはそのフィヨルドを見下ろす山に住んでる怪獣。でも、その姿は町の人には見えないのです。なぜなら、クマーは透明な怪獣だから。

 

 クマーは夜が来ると町をめざしてやってくる「ずるがしこくて、いじわるで、くいしんぼうな、わるいかいじゅたち」を片っ端からやっつけています。でも、そんなクマーの活躍を知る人はヨーレの町には一人もいません。

 

 さてさてさて、そんなクマーがある日、悪い怪獣たちとの戦いの最中に傷ついてしまうのです。「わあ、たいへんだ!」、頭のてっぺんの角も折れてしまって、なんとクマーの姿は町の人にも見えるようになってしまったのです。そして…。

 

 もうこれ以上は書けません。この後、クマーの身に起こった悲しい悲しい出来事。最後は本当に涙が出ました。宮部みゆきがつむぐ物語は美しく悲しいだけではなく、寓話性にも富んだお話です。

 

 その真実に気がつかないのは私たち自身、その真実を誤解しているのは私たち自身、その真実を知ろうとしないのは私たち自身…。

 

  それにしても佐竹美保の絵は驚きです。この美しさ!この繊細さ!クマーの悲しみが画面いっぱいに広がります。まいったなぁ、新年早々こんな物語に出会えるなんて。宮部みゆきの小説ファンにもぜひ読んでもらいたい絵本です。

 

◯宮部さんと佐竹さんの対談もぜひぜひ!


◯宮部みゆきの他の本の書評はこちら(上が当ブログ、下が旧ブログ)

宮部みゆき no.53

 

 2017.1.6 さて、新しい年が動き出しましたね。読書は森絵都「みかづき」が無事終わって、吉田修一「怒り」

 

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