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【書評】森絵都「みかづき」-教育の物語、というより三代にわたるなんとも強烈な「家族の物語」

 昨年の話題作。「王様のブランチ」のブランチブックアワードのグランプリにも輝きました。でも、僕は食指が動かなかった。教育とか塾の話という紹介があって、そこにはあまり興味がないというか、積極的に読みたいという気が起きなかったのです。

 

 でもでも読みました。いやぁ、早く読まなかったのは大失敗!でもこれ、教育、教育って言い過ぎ。まぁ、確かにそうなのですが、この小説は何といっても「家族の物語」。三代にわたるなんとも強烈な家族の物語なのです。森絵都は「永遠の出口」と「カラフル」は読んでいるのだけど、こんなケレン味のある文章を書く人だっけ?こういうテーマだからもっとリアルな話かと思っていたら、物語性が強くてやたらとおもしろい。登場人物もキャラが立っていてとても魅力的なのです。

 

 さて、物語は昭和36年から始まってラストは平成20年、47年間の話です。これ、ドラマでやるなら、朝ドラじゃダメ!大河ドラマでないと収まりきれないようなスケールの大きな話になっています。夫婦の話、親子の話、孫達の話に大別できるこの「みかづき」という小説、吾郎と千明という夫婦、蕗子(千明の連れ子)、蘭、菜々美の3姉妹、そして、蕗子の息子、一郎。吾郎たちが始めた塾を端緒に、それぞれがそれぞれのカタチで教育に関わっていきます。

 

  もちろん、47年の間に教育の世界は大きく様変わりしていくわけです。最初は目の敵にされていた塾が市民権を得て、敵対していた文部(科学)省と最後はタッグまで組んじゃう。例の「ゆとり教育」は学校ばかりでなく塾にも大きな影響を与えました。こんないろいろの中で、この夫と妻、父母と娘、祖父と孫との間には侃々諤々のやり取りがあり、血で血を洗う抗争?が起こり、肉親の情を越えた絆が生まれる。もちろん、彼らと彼らの教え子の間にも。

 

 なんだか知らないけれど、読んでるうちに2度3度と涙が出ちゃう。この一家のやることに。彼らに教わる子どもたちがやたらと羨ましくなってきちゃう。そして、そして、ラストのパーティのおかしさと吾郎のスピーチの素晴らしさ。さらに、さらに、アッと驚く大団円!あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ホントにおもしろかったぁ。

 

 2017.1.15 寒いよぉぉぉぉ。そ、そうだっ!これが冬だった。読書は、原田マハ「本日は、お日柄もよく」。

 

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