また、本の話をしてる

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.7/1-2週)

 さて、出た本。Twitterで人気になった燃え殻さん、糸井さんの「ほぼ日」でもおなじみの彼がcakesに書いた小説「ボクたちはみんな大人になれなかった」が出ました。アマゾンの紹介文は「あの頃の恋人より、好きな人に会えましたか?糸井重里、大根仁、小沢一敬、堀江貴文、会田誠、樋口毅宏、二村ヒトシ、せつな痛さに悶絶!」だって。ちょっと気になる。

 

 さらに、これも気になる歌舞伎の本「乙女のための歌舞伎手帖」。巳之助や米吉のインタビューも読みたいし、酒井順子や北村薫の歌舞伎エッセイ、「歌舞伎✕小説」の近藤史恵などのインタビューも気になる。表紙もいいぞ。

 

  さて、出た雑誌。「anan」最新号の特集は「映画と本と。」。特に読んでおきたいのが満島ひかりの映画「海辺の生と死」の話。島尾敏雄と島尾ミホ夫妻を描いたこの映画、なんだかスゴそう。映画のホームページも紹介しておきますね。

 


 

 そして、出る本。読売文学賞を受賞した川上弘美の「水声」(7/6)が文庫になります。これは前のブログで書評を書いたので転載しますね。

 

◇家族とは?という問いと人ひとりの孤独の深さ。

 様々な思いが立ち上ってくる不思議な小説だ。主人公である都がマ
マが死んでから10年間無人だった家に弟の陵と戻って来るところか
ら物語は始まる。彼女たちはそこに20年近く住むことになり、物語
の中の時間は長い。さらに、夢の中に出てくるママの話、実際の回想
も交えて、過去の時間にも飛ぶ。

 ママとパパとの関係、都と陵との関係…家族の話ではあるけれど、
そこにあるのは、とても複雑な人と人との繋がりだ。いや、複雑なの
ではなくそれはある意味「シンプルな」と言った方がいいのかもしれ
ない。家族というだけで存在するある種の思い、それは本物なのか?
一人の人間と人間として向き合った時、そこにはどんな思いがあるの
か?家族っていったい何だ?血のつながりって?そんなことを思うと
同時に、人ひとりの孤独の深さを強く感じた。

 この物語の背景として描かれるのは昭和天皇の崩御であったり地下
鉄サリン事件であったり、先の大震災だったりする。そういうリアル
な時間を生きながら、都と陵は自らの思いと向き合ってきた。その思
いと彼女たちが過ごしてきた時間を物語の中で同時に感じることがで
きるのが「水声」という小説のスゴさのような気がする。(2015.6.15記)

 

 読み応えたっぷりの小説なので気にかかった人はぜひ一読を。

 

 ◯これまでの「出る本、出た本」はこちらでまとめて。

 

 2017.7.2 さてさて、都民の皆さんは忘れずに選挙に行きましょうね。読書は原田マハ「リーチ先生」。

 

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