いやいやいや、いやいやいやいや、これはスゴいぞ。今をときめく絵本作家ヨシタケシンスケの子育てイラストエッセイ!僕は子供はいないし、子育ての経験もない。だけどこれを読むと、そのタイヘンさをヒシヒシと感じ、同時に子育てでの父親の立場のビミョーさに気がつくのだ。
ヨシタケさんがすごいのは、子育てにおける「男のホンネ」をひょうひょうとしたあの語り口でズバリ語っちゃってるところ。ちょっと本文を引用してみますね。
(最初の1〜2年)この時期はさらに、ママとの意思の疎通も難しくなったりします。
(「悪かったわね!!」とママ、「え!?よかれと思って…」とパパ)
2〜3歳までの育児とは、「オムツのことばっかり考えてる数年間」と言っても過言ではありません。
10ヵ月間苦楽をともにして「血のつながり」を実感しているママに対してパパはどうやっても「赤ちゃんのにわかファン」にしかなれない訳です。
部屋のそうじや身なりをととのえる作業は「夜、ちゃんと寝てくれる赤ちゃんのママとパパ」がすることです。
パパになってタイヘンになることのひとつ。それは「体調が悪くても誰にも言えない」ことです。
そうかぁ、そうなのね。納得しちゃいそうになる反面、このホンネ満載はお母さんたちから総スカンくらいそう。「だ〜か〜ら〜男ってダメなのよぉ」なんて言われるかも。ま、男の本音なんて「情けない」だけなのです。ヨシタケさん、「あのねぇ、あんたはねぇ」って奥さんからも怒られたりしないかなぁ…ううむ、どう考えても怒られそう。
帯には「パパは共感。ママは落胆。」とあるけれど、「パパ共感、ママ叫喚」の方がズバリのような気がします。阿鼻叫喚の叫喚ね。いずれにしてもこれを読めば、子育てパパはちょっぴり救われることでしょう。そのあと、どうなるかは知らないけれど。だから、こっそり買ってこっそり読みましょう。
まぁ、いろいろタイヘンではありますが、ヨシタケシンスケ、やっぱりあなたはすごいっっっっっっ!
○ヨシタケシンスケ、他の本の感想等はこちら。
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