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【絵本/感想】ミロコマチコ「てつぞうはね」-この絵本には作者の「てつぞう愛」が溢れに溢れてる!

 先日紹介した「ねこまみれ帳」を読んで、未読だったこの絵本も読まなくちゃ、と思った。そうなのだ、「ねこまみれ帳」に登場するあの「てつぞう」という猫がこの絵本の主人公で、彼が死んだ後にやってきた「ソト」と「ボウ」、2匹の猫も出てくるのだ。

 

 2012年に「オオカミがとぶひ」で絵本デビューしたミロコマチコ。これは1年後の作品で、今のものより混沌さは少ないけれど、やはり彼女らしさが横溢している。ウワァ!っとなった時の描写のパワフルさがスゴい。

 

  「すっごく でっかい おにぎり」みたいなてつぞう!桜が散るのを追いかける春のてつぞう!洗面台で寝ちゃう夏のてつぞう!雷が鳴ると平べったくなる秋のてつぞう!そして、お風呂のマットで寝る冬のてつぞう!人も猫も大嫌いだけれどミロコさんのことだけは大好きでグリグリスリスリ甘えてくるてつぞうのことを、彼女は本当に愛おしく思っていてその愛がそのまま絵になっている。この絵本では、てつぞうの死もしっかりと描かれている。そして、あとからやってきたソトとボウの中にミロコさんはてつぞうの姿を見出すのだ。ううむ、これ、なんだか素敵にいいぞ。

 

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 2017.11.22 寒いなぁ、自転車で母の特養まで行って来たらとても寒かった。読書は角田光代訳「源氏物語 上」と川上弘美の「森へ行きましょう」。