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【書評】ビートたけし「アナログ」-あの「懐かしい愛」をもう一度!

 この物語は驚くほど昭和だ。主人公の悟は工業デザインの会社で働いている現代の青年。だから、決して古い人間ではないのだけど、生き方も暮らしぶりもデジタルではない。仕事もコンピュータのシミュレーションではなく、模型を造ってクライアントに見せようとする。家に帰れば父親の仏壇に線香をあげ、友人たちとは焼鳥屋で飲むことを好む。

 

 悟には埼玉・東松山の特養に入っている母親がいる。都心から2時間かかるその施設に通うことを彼は少しもいとわない。恋愛小説という謳い文句だけれども、これは母親小説でもある。というよりも、「アナログ」という物語はそう思った方がすんなりと読むことができるのだ。悟の母への思いもまたアナログ的だ。彼は母のことでよく泣く。こんなに泣くかと思うほどよく泣く。過剰といってもいい。

 

  そんな男が広尾のカフェでみゆきという女性と出会う。しかし、2人は名前を知っているだけで、携帯の番号もメールアドレスも交換しない。木曜日の夜にこの店で会えれば会える、そう2人で決めたのだ。デジタルで結びつかないこの恋、さてどうなるのだろうか?

 

 悟のみゆきへの思いはなんだか初々しく、愛おしくなるほどだ。それは、今では誰もが忘れてしまっている感情なのかもしれない。アナログの恋と母への強い思い。この小説は、そんな「懐かしい愛」を読む物に思い出させてくれる。平成生まれの若者たちはこの物語をどう受け止めるのだろうか?とても興味がある。

 

 2017.12.19 今日はシャンシャンのライブ映像を見ながら1日仕事をしてた。パンダっておもしろいなぁ。読書はフランシス・ハーディング「嘘の木」。

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