また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2018.2/5週)

 さて、出た雑誌。「芸術新潮」3月号の特集は「超老力」、横尾忠則と香取慎吾の表紙が印象的です。「大先輩にまなぶ、アートと生きるゴールデンエイジ」という副題でも分かるように美術界に生きる「超老」たちの大特集。表紙の2人の対談をはじめ篠田桃紅さん、安野光雅さんなどなどの生き方に迫っています。モネやマティスなどの「老作」にも注目!これはぜひぜひ読みたいぞ。

 

 出る本が3冊。角田光代の短編集「私はあなたの記憶のなかに」(2/26)は、直木賞受賞前後に発表された8つの短編を集めたもの。角田さんは短編もいいからなぁ。買っちゃいそう。

 

 浅生鴨「伴走者」(3/1)はNHKツイッターの「中の人1号」で話題になった著者の最新小説集。ほぼ日で糸井重里さんがこんな感想を書いています。ちょっと長いけれど引用しますね。

 

 主人公は、視覚に障害のある

 元サッカー選手のマラソンランナーと、

 アルペンスキーの女子高校生の選手‥‥ではなく、

 彼らの目の役割をしながら、いっしょに走る「伴走者」。

 選手と走るし、滑るのだから、

 その競技種目についての相当の実力がなければならない。

 変化する状況を的確に伝え、次の瞬間に備えながら、

 少しでも速く、不安を感じさせずに力を発揮してもらう。

 そういう役割をするのが「伴走者」です。

 「ブラインド」の男子マラソンの選手は、

 晴眼の女子マラソン選手ほどの速度で走るそうです。

 また、アルペンスキーの選手の滑降速度は、

 時速100キロということです。

 目からの情報がないままに、それをするということを、

 目の見える者はまず想像できません。

 徹底的に想像力を鍛えていかないと、

 伴走者という仕事はできません。

 作者は、この「伴走者」という役割を視点にして、

 哲学的でサスペンスにあふれる

 事実のような物語を生み出しました。

 (すみませんね、つい言い方が大仰になってしまって)

 この小説が世に出ることで、いくつかのことが、

 大きく変わるのではないかと、ぼくは考えています。

 パラリンピックが、障害についての考え方が、

 目的や競争という概念が、読者のこころの一部分が‥‥。

 

 ことばが尽きません、27日の発売を、待っててください。

  (「ほぼ日刊イトイ新聞」2月1日「今日のダーリン」より)

 

  ううむ、ちょっと気になりますね。浅生さんの長編を読んでみたかったのでこれは楽しみ。前作の感想はこちらを。


 人気の西加奈子、短編集「おまじない」(3/1)が出ます。「思いもよらない誰かの一言で、世界は救われる。言葉の力を信じるすべての人へ―西加奈子ワールド全開の「女の子応援」短編集」というアマゾンの紹介に心惹かれます。

 

◯これまでの「出る本、出た本」はこちらから


2018.2.25 というわけでオリンピックも今日で終わり。最後にカーリング女子の銅メダルが見られてよかった。なんだか五輪バテの感じ。読書は片岡義男「珈琲が呼ぶ」。

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