いいんだよなぁ、ペク・ヒナ。韓国の絵本作家でこのブログでも「天女銭湯」という話題になった絵本を紹介している。訳者はその絵本と同じ長谷川義史。「ぼくがラーメンたべてるとき」などで有名な絵本作家だ。大阪の人だから訳文も大阪弁!「天女銭湯」の時にも書いたが、その大阪弁がペク・ヒナワールドにジャストフィット!なんとも言えないいい味を醸し出している。
最初の見開きページにワンフレーズ。「ぼくは ひとりで あそぶ。」とある。次の見開きはひとりぼっちでビーだま遊びをする主人公。ドンドンという名前だ。そばには犬が一匹。ジャックラッセルテリア!?彼の名前はグスリ。ビーだまが欲しくてお店に寄ったドンドンは、思わずあめだまを買ってしまう。ほら、上の表紙でも分かるようにビーだまに似たあめだったから。カラフルなあめをほうばってみると、あらあら不思議!大きな声が聞こえてきた。どうやらその声は部屋にあるソファの声らしい。
あめだまを1個ほうばるたびに聞こえてくるいろいろな声。それは犬のグスリの声だったり、パパの声だったり、なぜか死んじゃったおばあちゃんともつながったり。それぞれのエピソードが楽しくて、少し切ない。
そして、「そとから こえが きこえた。」から始まる最後のエピソード。紅葉の公園を舞台にしたその話が人物たちの造形、美しいセットと共に強く強く心に残る。いつもひとりで遊ぶ孤独な少年が出会ったのは…?カラフルはあめだまが連れて行ってくれた場所は?人と人とのつながりを描いてこれはなんとも素敵な絵本。ペク・ヒナ、次もぜひぜひ読んでみたいぞ。
◯ペク・ヒナ「天女銭湯」の感想はこちら
2018.9.29 9月も明日で終わり。台風、本当にこっちにやってくるのかな?読書は「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」
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