また、本の話をしてる

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!恩田陸の新刊「灰の劇場」、そして「文藝別冊」の恩田陸特集。佐藤可士和の「Pen Books」も気になる!(2021.2/3週)

 

 さて、出る本。恩田陸「灰の劇場」(2/16)出ます。恩田さんは読んだり読まなかったりで僕は良い読者とは言い難いのだけど、これはアマゾンの紹介文を読んでとても気になった。ちょっと長いですが引用!

「私は確かにその二人を知っていた。もっとも、私はその二人の顔も名前も知らない。」恩田陸の新境地となる、“事実に基づく物語"。

26年の時を超え、恩田陸、デビュー当時からの「宿題」が、ついに長編小説として刊行!
*ファン待望の総特集「文藝別冊 恩田陸 白の劇場」、同時刊行。

【内容紹介】
大学の同級生の二人の女性は一緒に住み、そして、一緒に飛び降りた――。
いま、「三面記事」から「物語」がはじまる。
きっかけは「私」が小説家としてデビューした頃に遡る。それは、ごくごく短い記事だった。
一緒に暮らしていた女性二人が橋から飛び降りて、自殺をしたというものである。
様々な「なぜ」が「私」の脳裏を駆け巡る。しかし当時、「私」は記事を切り取っておかなかった。そしてその記事は、「私」の中でずっと「棘」として刺さったままとなっていた。
ある日「私」は、担当編集者から一枚のプリントを渡される。「見つかりました」――彼が差し出してきたのは、一九九四年九月二十五日(朝刊)の新聞記事のコピー。ずっと記憶の中にだけあった記事……記号の二人。
次第に「私の日常」は、二人の女性の「人生」に侵食されていく。
新たなる恩田陸ワールド、開幕!

ねっ!なんか気になるでしょう?これは読むことになるかもしれない。

 

 で、一緒に紹介されていた「文藝別冊 恩田陸 白の劇場」(2/18)。「文藝別冊」の作家特集はけっこうおもしろいからなぁ。何冊か持ってる。恩田陸は様々なジャンルを手がけている作家なのでいろいろ気になる点も多い。桐野夏生との対談、大森望によるロングインタビューなどなど読みたい記事も多いぞ。

 

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【アート/広告】国立新美術館で「佐藤可士和展」始まってます。2月3日から5月10日まで!!!

 「佐藤可士和展」、始まってます!日本を代表するクリエイティブディレクターのひとり佐藤可士和の初めての大規模展覧会。これはもう見逃すわけにはいかないなぁ。といいながらコロナ禍でいくつかの「見逃すわけにはいかない」展覧会を見逃しちゃった私。感染に対しては非常に臆病なので行けるのかなぁ。5月までだからなんとか少なくなった時にダ~ッと!!

 

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【書評】木崎みつ子「コンジュジ」-今は亡きロックスターに心を奪われた少女。それは彼女にとって大きな救いだった

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!ショーン・タンが描く「ウサギ」、「猫はうれしかったことしか覚えていない」文庫化、「MOE」最新号も気になる!(2021.2/2週)

 

 さて、出た本。ジョン・マーズデン:文/ショーン・タン絵「ウサギ」出ました。この本に収録されたショーン・タンの絵は巡回中の展覧会「ショーン・タンの世界展」でも少し見ることができました。ウサギが無表情でコワい。で、アマゾンの内容紹介はこんな感じ!

大勢のウサギがやって来て大陸に蔓延し、先住者は危機に追いやられていく。美麗なイラストで語られる建国寓話。豪児童文学賞受賞。

 イギリスに植民化されたオーストラリアの話ではあるのですが、翻訳家の金原端人さんは「ショーン・タンのシュールで大胆でコミカルな絵は、この物語を一気に「奪う者と奪われる者」のダイナミックな物語に置きかえてしまう(「ショーン・タンの世界」より)」と書いてます。というわけで、これは読むぞ。あ、翻訳は岸本佐知子。

 

◯展覧会のカタログでもある「ショーン・タンの世界」、これもいいです!

 

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【絵本/感想】カトリーヌ・シュリュグ:文 レミ・サイヤール:絵「ママはかいぞく」-隠されたもう1つの話について書こうと思う


 年末に発表された「MOE絵本屋さん大賞2020」で6位になった絵本。カトリーヌ・シュリュグが文章を書き、レミ・サイヤールが絵を担当している。絵本の紹介に「もう1つのお話が隠された仕掛け絵本」とあってちょっと気になったので読んでみた。

 

 小説でも絵本でも書評などで読書の喜びを失うようなことは書かないように気をつけている。でも、これはあえて「もう1つのお話」について書きたい。そうしなければこの本の大切さが伝わらないからだ。表向きはタイトル通り、海賊になったママの話だ。毎週毎週「かになんてへっちゃらごう」に乗って海に出て行くママ。胸に傷のある新米の海賊ママは船酔いで顔が真っ青、吐き気で食欲もなく、寝込んでしまう。そんなママも次第次第に元気になって、バンダナ巻いて敵と戦っている。めざすは宝の島!

 

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【BOOK NEWS】カズオ・イシグロ最新長編「クララとお日さま」、3月2日世界同時発売!!映画化も決定!

【コミック/感想】吉田秋生「詩歌川百景」-山形県河鹿沢、美しい川が流れる温泉町を舞台に吉田秋生の新しい物語が幕を開けた