また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

■か行の作家

【書評】北村薫「八月の六日間」-アラフォー女子を山が救う!

八月の六日間 posted with ヨメレバ 北村薫 KADOKAWA 2016年06月18日 楽天ブックスで探す Amazonで探す 北村薫の文体は独特だ。時々、知が勝ちすぎる物語もあるので、当然読者を選ぶ。そんな彼が山登りの小説を書いた。へぇ〜どんな感じだろうと思って読んで…

【BOOK NEWS】上巻9月発売、角田光代「源氏物語」が気になる!気になる

源氏物語 上 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集04) posted with ヨメレバ 角田光代 河出書房新社 2017-09-12 Amazon 源氏物語 中 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集05) posted with ヨメレバ 角田 光代 河出書房新社 2018-03-13 Amazon 楽天ブックス 源氏物語 …

【BOOK NEWS】ネコメンタリー「角田光代とトト」17日深夜再放送!

今日も一日きみを見てた posted with ヨメレバ 角田 光代 KADOKAWA 2017年06月17日 楽天ブックスで探す Amazonで探す 先日、「出る本、出た本」で、角田さんの猫エッセイ「今日も一日きみを見てた」が文庫になったことをお知らせしましたが、角田さんと愛猫…

【書評】窪美澄「やめるときも、すこやかなるときも」-変わることのない人間を見つめるその鋭くも優しいまなざし

やめるときも、すこやかなるときも posted with ヨメレバ 窪 美澄 集英社 2017年03月24日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 主人公の男女に対して共感ももちろんあるのだけど強い反感もある。なぜなのか?それは彼らが持つ感情が自分の中にも間…

【BOOK NEWS】角田光代「対岸の彼女」のスピンオフ作品「私の灯台」全5話を無料公開!

Amazonで探す 楽天ブックスで探す 角田光代の直木賞受賞作品でドラマにもなった「対岸の彼女」のスピンオフ作品「私の灯台」全5話がネットで公開されています。 第1話だけは「ダ・ヴィンチニュース」の特設ページで読めるのですが、あとはJTの「ちょっと一…

【BOOK NEWS】川上未映子訊く、村上春樹語る「みみずくは黄昏に飛びたつ」4月27日発売!

みみずくは黄昏に飛びたつ posted with ヨメレバ 川上 未映子/村上 春樹 新潮社 2017年04月27日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す おぉ!これは「MONKEY」のvol.7に「優れたパーカッショニストは、いちばん大事な音を叩かない」というタイトル…

【ドラマ】木皿泉✕Perfume✕テレビ東京!スペシャルドラマ「パンセ」放送決定

いやいやいや、これはもう本の話なのかなんなのかよく分かりませんが、とにかくスゴい!放送は3月31日、4月1日の2夜連続、30分ドラマ2回、という感じです。 「パンセ」というのはフランス語で三色すみれのこと、3人の女性の物語です。木皿泉はいうまで…

【書評】窪美澄「すみなれたからだで」-生の実感を思う短編集、その先にある「寂しさ」が強く心に残る

すみなれたからだで posted with ヨメレバ 窪 美澄 河出書房新社 2016年10月20日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 8つの物語からなる短編集だ。様々な雑誌に掲載された物語を集めたもので個人的には既読のものもある。作者には珍しいタイプの…

【書評】川上弘美「大きな鳥にさらわれないよう」-地球の歴史を俯瞰しているような深くて大きな物語

連作短編ということでいいのだろうか。それぞれの物語はゆるやかに、しかし、緊密につながっている。この星の遠い遠い未来に始まって、さらに遠い遠い未来で終わる物語。人間由来よりも鼠由来やカンガルー由来、イルカ由来の子供たちが数多く工場で作られて…

【文学賞】泉鏡花文学賞に川上弘美「大きな鳥にさらわれないよう」

ふふふ、ちょうど昨日から読み始めたところでこのニュースはとてもうれしい。けっこう好評でしたからね。ボブ・ディラン、ノーベル文学賞も驚きだったけれど、川上弘美が泉鏡花文学賞、というのもかなりな出来事。っていうか、もっと前にとってもよかったの…

【映像化】角田光代「キッドナップ・ツアー」ドラマに!

キッドナップ・ツアー posted with ヨメレバ 角田光代 新潮社 2003年06月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 夏休みドラマ「キッドナップ・ツアー」はNHK総合で明日午後7時半からの放送です。え〜っと角田光代の原作は読んでないのだけど、別居…

【書評】窪美澄「アカガミ」-現代の若者に対する危機感と国が家族のカタチを決める怖さ

アカガミ posted with ヨメレバ 窪美澄 河出書房新社 2016年04月12日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 舞台は2030年の日本。「異性の体を直に見たいとは思わない、触れてみようとは思わない」、そんな若者たちばかりになってしまったこの国。…

【書評】北村薫「中野のお父さん」-ちょっと軽めの謎解きが楽しい安楽椅子探偵もの

中野のお父さん posted with ヨメレバ 北村 薫 文藝春秋 2015年09月12日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 円紫さんシリーズ、ベッキーさんシリーズなどの推理作家北村薫の新しい名探偵シリーズ。探偵になるのは定年間近の高校の国語の先生、主…

【書評】片岡義男「コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。」-彼の小説はすべて自伝で、すべて自伝ではない

コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。 posted with ヨメレバ 片岡義男 光文社 2016年02月17日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 片岡義男の小説を読むのって、何でこんなに気持ちがいいのだろう!選びぬかれたムダのない言葉、しっかりと…

【書評】角田光代「坂の途中の家」-被告と補充裁判員、さらには読者をも巻き込む魂の混沌!

坂の途中の家 posted with ヨメレバ 角田光代 朝日新聞出版 2016年01月07日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 早々ではあるけれど、間違いなくこれは今年のベスト候補だ。1人の母親が8ヵ月になる長女を浴槽に落として、赤ちゃんが死んだ。故…

【書評】窪美澄「さよなら、ニルヴァーナ」-自分の中でうまく消化できなかった「少年A」の物語

さよなら、ニルヴァーナ posted with ヨメレバ 窪 美澄 文藝春秋 2015年05月28日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 窪美澄は大好きなのだけど、この小説にはうまく入っていくことができなかった。1997年に起こった神戸の連続児童殺傷事件がモチ…

【書評】川上弘美「水声」-家族とは?という問いと人ひとりの孤独の深さ

水声 posted with ヨメレバ 川上 弘美 文藝春秋 2014年09月30日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 様々な思いが立ち上ってくる不思議な小説だ。主人公である都がママが死んでから10年間無人だった家に弟の陵と戻って来るところから物語は始まる…

【書評】北村薫「太宰治の辞書」-シリーズのおもしろさを再確認できる17年ぶりの新作

太宰治の辞書 posted with ヨメレバ 北村薫 新潮社 2015年03月31日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す いわゆる《私》シリーズ(円紫さんシリーズともいう)の最新作。実に17年ぶりの新作だ。一作目で大学生だった《私》はすでに結婚し、小さな…

【書評】小池真理子「千日のマリア」-そのすべてに「時の流れ」を強く感じる8つの物語

千日のマリア posted with ヨメレバ 小池 真理子 講談社 2015年02月18日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 小池真理子は巧い。豊かで芳醇な味わいがあるその文章は、読む者を自然と彼女の物語世界に引きこんでいく。そして、その物語は、人間の…

【書評】角田光代「笹の舟で海をわたる」-疎開派世代の魂の在りようを描き、強く心を揺さぶる傑作!

笹の舟で海をわたる posted with ヨメレバ 角田光代 毎日新聞出版 2014年09月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 「本の雑誌」昨年度ベストテンのNo.1。あの「本の雑誌」が角田光代のようなビッグネームを1位にしたこと、大絶賛であったことに…

【書評】窪美澄「水やりはいつも深夜だけど」-強い共感と明日への勇気を与えてくれる家族の物語

水やりはいつも深夜だけど posted with ヨメレバ 窪美澄 KADOKAWA 2014年11月14日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 同じ幼稚園に子どもを通わせている5つの家族の物語。窪美澄の小説は直接それを描いていなくても、根底にはいつも家や家族が…

【書評】片岡義男「ミッキーは谷中で六時三十分」-片岡義男、74歳でこんな小説書くなんて不良だっ!

ミッキーは谷中で六時三十分 posted with ヨメレバ 片岡 義男 講談社 2014年05月21日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 片岡義男っていくつかなぁ、と思って調べたら74歳だった。ううむ、不良だ。74にもなってこんな小説が書けるなんて絶対に不…

【書評】角田光代「平凡」-この物語には人生に対する肯定があり、希望がある

平凡 posted with ヨメレバ 角田光代 新潮社 2014年05月30日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 6つの物語が収められた短篇集。これはきっと、今年のマイ・ベストに入るのではないか。人生の岐路を描いた物語はたくさんあるが、ここで描かれて…

【書評】川村元気「世界から猫が消えたなら」-少し我慢して読み続けてみよう!これは、軽くて深い物語

世界から猫が消えたなら posted with ヨメレバ 川村元気 マガジンハウス 2012年10月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 去年の話題作。タイトルが気に入っていて、読んでみたかった。しかし、最初から何だかガクッとくる。主人公である郵便配達…

【書評】窪美澄「よるのふくらみ」-1人の女に兄と弟。誰もがせつない。そして、苦しい

よるのふくらみ posted with ヨメレバ 窪美澄 新潮社 2014年02月21日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 6つの話からなる連作短編集。もちろんひとつの長編とも言えるのだがひとつひとつの話のクオリティがとても高い。主人公は3人。その3人…

【書評】越谷オサム「陽だまりの彼女」-致命的な軽くてリアリティのない会話

陽だまりの彼女 posted with ヨメレバ 越谷オサム 新潮社 2011年06月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 本を選ぶ嗅覚?っていうのにはけっこう自信がある。あまり「ハズレ」の本を買うことはない。で、「陽だまりの彼女」。実は買った動機がち…

【書評】角田光代「私のなかの彼女」-出会いの恐ろしさ、言葉の恐ろしさを描いてこれは本当にスゴい小説

Amazonで探す 楽天ブックスで探す ある出会いが一人の女性の人生を変えた。主人公の和歌は18歳の時に大学で出会った仙太郎と交際を続けている。彼は学生の頃からアーティストとして雑誌に連載を持つほどの男。センスもよく知識も豊富な仙太郎に対して、和…

【書評】窪美澄「雨のなまえ」-希望はない、しかし、主人公たちへの共感がある

雨のなまえ posted with ヨメレバ 窪美澄 光文社 2013年10月17日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 窪美澄はリアルの作家だ。ていねいにリアルを積み重ねていくことで主人公たちが生きているその世界をくっきりと浮かび上がらせる。だからこそ…

【書評】小池真理子「沈黙のひと」-生きること、老いることを描いて、これは本当に見事な小説!

沈黙のひと posted with ヨメレバ 小池 真理子 文藝春秋 2012年11月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 今年の吉川英治文学賞受賞作だ。作者自身が「生涯の勝負作」と語っただけのことはある力の入った小説。内容的にも今までの小池作品とはまっ…

【書評】木皿泉「昨夜のカレー、明日のパン」-ここには常に生と死があり、生きることへの問いかけがある

昨夜のカレー、明日のパン posted with ヨメレバ 木皿泉 河出書房新社 2013年04月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 「すいか」「Q10」などの夫婦脚本家木皿泉の初めての小説は8編からなる連作小説集だ。その家にはテツコという女性と彼女…