佐藤正午は新刊が出たら必ず買う作家の一人です。だってこの人の話は奇想天外でいったいどこに連れて行ってくれるかわからないから。
2億円当選!もれなく死体も付いてくる!!
宝くじの話からしましょう。大切なポイントですからね。え~っとですね、主人公のミチルは上司や同僚から頼まれて昼休みに宝くじを買いに行きます。
ちょっと細かい話になります。立石さんと沢田主任からはそれぞれ5千円ずつ預かり、同僚の初山さんからは3千円預かりました。合計1万3千円。宝くじは一枚3百円。単純に計算すると1万3千円で3百円の宝くじは43枚買えます。残りは百円です。
[まとめて買っちゃう]
5000円+5000円+3000円=13000円
13000÷300=43枚あまり100円
でも、一人ずつからお金をもらったのですから、立石さんと沢田主任には各16枚でおつりは各200円、初山さんには10枚でおつりはなし。全部で42枚、おつりは400円というのが正解です。
[1人ずつ対応]
2人 5000÷300=16枚あまり200円(2人で32枚あまり400円)
1人 3000÷300=10枚あまりなし
ミチルは急いでいたので、まとめて43枚買っちゃいました。お金もあったし。なぜ急いでいたかというと好きな男をバスターミナルまで見送りたかったからです。で、何を思ったか彼女は男について空港、いや飛行機に乗って彼が住む東京まで一緒に行っちゃうのです。
さて、宝くじです。1枚差が出ましたね。その1枚がもし2億円当たっていたらどうします? そういう話です。いや、そういう話ではないのですが…死体ももれなく付いてくるし。でも、やはり宝くじはポイントです。う~む、佐藤正午、やるなぁ、スゴいなぁ、好きだなぁ。
◎「身の上話」は2011年11月10日、光文社文庫で文庫化されました。
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