自慢じゃないが免許は持っていない。車に興味がないのって何だかちょっと男としては欠陥があるみたいな感じもするのだが、どうだろう?まぁ、それはそれとして「スモールトーク」である。かなりのカーマニアである作家絲山秋子が書いた、車をテーマにした連作小説だ。
主人公ゆうこの元に昔の男がオレンジ色のTVRタスカンに乗って現れる。その美しく、いかがわしい車に魅せられ、「乗れよ」の声に押されるようについつい中に滑り込んでしまうゆうこ。そこから物語は走り始める。カマキリと呼ばれるその昔の男は、次にジャガーのXJ8、その次はクライスラーのクロスファイアと車を変え、なぜかそのたびに彼女の元にやってくる。よりを戻したいのか何なのか?この2人のくされ縁みたいなやりとりが何ともおもしろい。車談義もわからないなりに楽しい。車好きにはこれ、ちょっとたまらないんじゃないだろうか。ラストも気持ちよく、さすが絲山秋子だ。
車エッセイも6編収められているが、彼女がINAXの営業だった頃、自分好みに営業車のカローラバンをチューンナップしていく話がやたらとおもしろい。ホントに車好きなんだなぁ。
2010.10.28 最近、秋の花粉症である。目がかゆい。来春は花粉が10倍飛ぶなんて書いてあったが、秋はどうなのよ?なんだか例年よりもひどいような気がするぞ。
【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。