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【エッセイ】石田ゆり子「はなちゃんの夏休み。」-はなちゃんの生活を愉快に活写する石田ゆり子の才能に驚く

 「はなちゃんの夏休み。」、糸井さんの「ほぼ日」で夏と冬に登場する人気の連載が一冊にまとまった。石田ゆり子さんの愛犬はなちゃんから糸井さんちの愛犬ブイヨンへの123通のお便り、それは、いつもいつも同じことのくり返し、代りばえのしない毎日を楽しく生きているはなちゃんからの愛にあふれるメッセージだ。

 

 もちろんラブラドールのはなちゃんはお便りなんか書けないわけで、石田さんが書いているのだが、いやいやいや、これが本当に「才能」を感じさせる素晴らしさ!わんちゃんが書いている設定だからほとんど漢字もない読みやすい文章、こういうのって何回かならうまく書けても、たくさん書くのは難しい。だけど石田ゆり子はそれをスイスイスイとやってのける。自らを「ばあや」と呼び、「ばあやはもう、よんじゅうねんいじょうもいきているみたいなんです。かせきのようなばあやですよ」などと自分のことを笑いのめし、はなちゃんの生活を愉快に活写する、びっくりです。実は糸井さんも1通だけ「ブイヨンからのお返事」を書いてるのだけど、やはり作為が見えちゃう。石田ゆり子、すごし!

 

 ゆり子家ははなちゃんの他に「どすこいおやじ」など4匹の猫までいるのだけど、彼女の生き物への限りない愛がこの本の根底にはあるのだと思う。そして、お便りのしめくくりの言葉!これがなんとも良くて元気が出て来るのだ。「ぶいちゃん、きょうもたのしくね、えがおで」、「ぶいちゃん、あいさつは、おおきなこえで」「ぶいちゃん、まいにち、すこやかでね、いっぱいわらってね」「きょうも、すてきな、みみのかくどで」「ぶいちゃん、にくきゅうはやわらかく。きょうもいいこで。げんきで」などなど。小さい頃は壁に穴を開けちゃうほどやんちゃだったはなちゃんも今では11歳。そんなはなちゃんの「いま」をすべて受け入れて、愛している石田さんが素敵です。絵本のように読み聞かせをしているお母さんもいるとか。ぜひ一読を。

 

◯「ほぼ日刊イトイ新聞」の連載はこちらから。

 

 2013.2.25 iMacを買ったのでなんだかバタバタ。データ移行は思いがけずスイスイといったので良かったけれど。読書、小川洋子「ことり」が終わり、佐藤正午「カップルズ」へ。

 

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