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【絵本/感想】ヨシタケシンスケ「りんごかもしれない」-これ、子供たちは楽しくてしかたがないだろう

 今年の「MOA絵本屋さん大賞」の受賞作品。とはいえ「MOA」が絵本の雑誌でこの賞が絵本専門店・書店の児童書売り場担当者のアンケートによって選ばれたことも知らなかった。でも、このタイトルと表紙を見て、読みたいって思ったんだよなぁ。

 

 で、いやいやいや、これはいいぞぉぉぉ。というか、スゴいっ。ヨシタケシンスケ、最高!著者のことも知らなかったのだけど、これが初めての絵本なのだが、これ以前に出した本やイラストの仕事の評価が高く、ぜひ絵本を!という声がけっこうあった人らしい。

 

 さて、この「りんごかもしれない」、主人公の男の子がテーブルの上でりんごを見つけるところから始まる。そして、彼は思うのだ「……でも……もしかしたら これは りんごじゃないかもしれない。」と。男の子の頭の中でいろいろな思いが動き出す。「もしかしたら おおきなさくらんぼの いちぶかもしれない。」「ひょっとして あかい さかなが まるまっているのかもしれない」。ヨシタケさんのちょっととぼけた、しかし表現力豊かなイラストが想像力をさらに広げていく。男の子の「かもしれない」は、どんどんと愉快で突拍子もない方向へと進み、ステキにシュールになっていく。ラストの着地がまたまた見事。あ〜〜うまいなぁ。パチパチパチ!

 

 これ、子供たちは楽しくてたまらないだろうな。ずっとずっと側において読みたいだろうな。もちろん、大人たちだって。というわけで、これ、いいかもしれない、すごくすごく好きかもしれない。

 

 

2014.2.20 一番なって欲しくない人が都知事に。絶望したり、分析したり、反省したり。読書は波野好江「中村勘三郎 最期の131日」。

 

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