これもまた見事なヨシタケシンスケ・ワールド。この本はヨシタケさんが「自分にできないこと」をテーマにした一冊だ。「はじめに」で、この本のおもしろさを保証することも「できない」と書いてるのがおかしい。いや、でもこれ、間違いなくおもしろいです。
大体、この人のフニャラフニャラしたイラストがクセモノだ。そんなにおもしろくなくてもこのタッチにだまされちゃってる気もする。で、ヨシタケさん、本当にいろいろと「できない」。おしゃれができない、ボウリングができない、柔軟体操やキレイに食べること、献血、お祭りをエンジョイすることもできません。ううむ、これ、僕、わかるなぁ。
「ゆっくりお食事ができない」の項も傑作。一口で食べる量が多く、しかも、あま噛まず、熱いものも平気な作者。みんなより先に食べ終わって、時間をつぶすのに苦慮しています。なんとなくメニューを見たり、水を飲んだり、おハシの袋をたたんだり…おかしい。「みんなでテレビ鑑賞ができない」理由は、各々の対応やコメントが気になって落ち着かないから。ラブシーンが始まるとみんなモジモジするけれど、この人の場合、どんな番組でもみんなで見るとモジモジしちゃうらしい。あぁ、たまらないっ。なんだかこれ読んでると人間が愛おしくなってくる。ヨシタケシンスケ、ホント〜に好きだ。
◯ヨシタケシンスケのその他の本のレビュー等はこちら
2014.5.26 コンピュータ、またちょっと不安が。大丈夫なんでしょうか?読書は川村元気「世界から猫が消えたなら」が終わりそう。
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