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【書評】山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」-女性たちの様々な退屈、様々な焦り、様々な平凡を描いて見事!

 

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫) ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)
山内 マリコ

幻冬舎 2014-04-10
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 一昨年の話題作。文庫になったのでやっと読んだ。8つの物語からなる連作短編集。これがデビュー作なんだからなぁ…。達者というか、いやいやスゴい。いいなぁ、こんなに書けて。

 

 舞台は本当にどこでもあるような地方都市。バイパスを走れば、ブックオフやしまむらや洋服の青山があるような、田舎というほど田舎ではない場所。その中途半端さが拍車をかけるのか、そこで暮らすガールズたちは心穏やかではない。

 

 10年東京に住んで地元に戻りライターの仕事をする30歳、ティーン向けファッション誌の人気モデルだったがひっそりと引退し、地元のスタバで働く27歳、交換留学生と仲良くなりアメリカ人だったらと夢想する大学生、バージンを捨てることに奔走する高校生たち…。彼女らには、そこでの居場所がなかなか見つからない。東京のような大都市と違いのんびりしているし、それなりにいろんなものは揃っているのだが、やっぱりなんだか「退屈」なのだ。彼女たちの様々な退屈、様々な焦り、様々な平凡が描き出されてこの短編集は見事だ。

 

 同じ経験を持ち、同じ気持でいる人間はたくさんいると思うので、そんな人々にとってはこの小説は間違いなくグサッと心に刺さるだろう。全編を通して登場する椎名という男が彼女たちとは対照的に描かれていておもしろい。椎名はこの街でフツーに楽しそうに生きているのだ。この小説、現代の話から過去の話へと時代を遡っていく。この構成もまた効果的。山内マリコ、新作も出てたなぁ、読まなくちゃ!

 

 

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