岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ 岡崎京子 |
オカザキ・ジャーナル 岡崎 京子 |
レアリティーズ (平凡社コミックス) 岡崎 京子 |
岡崎京子初めての大規模展。正式タイトルは「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」。世田谷文学館というのもうれしい。原画が300点以上。それだけでも見応えがある。いつも思うのだが「原画」というのは印刷物とはまったく違う。細部には生々しさがあるし、岡崎京子の美しい線や大胆なトーンの貼り方を見るだけでも幸せな気分になれる。この人の凄みが伝わってくる。
代表的コミックを中心に時代別にセクション分けした構成。壁面に大きく名言や名セリフ。「リバーズ・エッジ」「ヘルタースケルター」など名作のコーナーは立体的な工夫があってファンとしてはいろいろな思いが溢れてきそうになる。アート・ディレクションの祖父江慎とコズフィッシュがとてもいい仕事をしてる。
さらにエッセイやイラストの掲載誌など見たことのない資料がたくさんあって、みんなが覗きこむように見ている。雑誌のイラストなどは時代性が強いものもあるがコミックやキャラクターが今でも古びてないのがやはりスゴい。そして一番思うのは、岡崎京子は時代の中にあって、そこで生きている女の子たちと共に生きていたのだ、という事実。彼女たちと一緒に希望を持ち、TOKYOという街を生き、共に絶望し、虚無の中に立ち尽くしている。この展覧会を見ればそれが分かる。
図録が素晴らしい(2/3に書店でも発売)。単行本未収録作品も入ってるしエッセイも充実してる。さらに開催に合わせて「オカザキ・ジャーナル」と「レアリティーズ」の2冊が発売になった。
◯展覧会についてはこちらを。
◯岡崎京子のその他の本のレビューや情報はこちらから。
【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。