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【コミック/感想】吉田秋生「海街diary」-すずを中心にした青春の物語と3姉妹たちの大人の物語が見事に調和!

 2013年のマンガ大賞を受賞した時に、読みたいなぁ、と思ったのだが、そのままになっていた吉田秋生の「海街diary」。今年の夏、是枝裕和が映画化することを知り、たまらずに読み始めた。すでに6巻まで出てるのだが、3巻目まで読み終えたところだ。

 

 鎌倉に住む3人姉妹。長女の幸、次女・佳乃、三女・千佳。物語は父の死から始まる。といってもこの父親は姉妹が子供の頃に母と離婚し、すでに家を出ている。その葬儀で3人は義理の妹であるすずと出会う。彼女の境遇を知った幸は「一緒に暮らそう」と彼女を鎌倉に誘う。異母妹を四女に迎えた香田家の新たな暮らしが始まった。

 

 この物語が優れているのは、すずを中心にした青春の物語と3姉妹たちの大人の物語がうまく調和し、まさに「人間」を描いた物語になっているところだ。ジュニアサッカーのクラブで男たちに混じって活躍するすず。不倫に悩む幸、男運の悪い佳乃、脳天気に見える千佳。さすがベテラン!吉田秋生は、一人ひとりの日常やその人間関係をこまやかに描きながら、生きることを意味を読む者に問いかける。

 

 泣いて笑って怒って、落ち込んで立ち直って、またショックを受けて。そんな日々の中に生きる喜びがある。背景には鎌倉の海と緑があり、4人を優しく包みこんでくれている。これからどんな展開が待ち構えているのか。さてさて、続きが楽しみだ。

 

◯映画「海街diary」のサイト。映画も良さそうだなぁ。

 

 

2015.3.6 気温差の大きい日々が続いてなんだか気分的に落ち着かない。花粉症もあるし。読書は上橋菜穂子「鹿の王」上巻が終わった。

 

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