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【書評】ピエール・ルメートル「悲しみのイレーヌ」-またまた度肝を抜かれる、ルメートル鮮烈のデビュー作!

 さて、先日の「その女アレックス」に続いて、ピエール・ルメートルの同じシリーズの作品「悲しみのイレーヌ」を読んだ。いやぁ、これがまた大変でさぁ。長い一部が終わって、さぁ二部。いよいよクライマックスに突入か、というところでエ〜〜〜〜〜〜ッと度肝を抜かれる。誰もがそうだろうが一瞬ア然となり、そ、そうなのか…とボー然となる。デビュー作でこんなこと仕掛けるなんて、すごすぎるぞ!ルメートル。

 

 すでに周知の事実とも思うが、日本での発売はアレックス→イレーヌの順だが、イレーヌはルメートルのデビュー作で本国ではイレーヌ→アレックスの順で発表されている。これは日本の出版社の思惑もあったのだろうが、そのことによって、日本の読者は「悲しみのイレーヌ」の肝になる事柄を知ってしまっている。物語はまさにそこに向かって突き進むわけだ。

 

 一部の冒頭では2人の女性が残虐な手段で殺される。さらに同種の事件が起こるのだが、このシリーズの主人公である145センチという短躯な男、カミーユ警部はそれらの事件にある「共通点」を見つけ出す。さらに同じような事件が過去に起こっていたことも明らかになるのだが…。この犯人の恐ろしすぎる考えとその行動…、真実と虚構がないまぜになり、さらにその先には…。あぁ…!

 

◯「その女アレックス」のレビューはこちら

 

 

 

2016.4.18 九州で高校卒業まで過ごしたので熊本のことがとても気になる。まだまだ余震が続いてるし、避難所生活も本当に大変だと思う。早くいい方向に進むといいけれど…。読書は宮下奈都「羊と鋼の森」。

 

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