小川洋子は「猫を抱いて象と泳ぐ」あたりからのファンで以降の小説は大体読んでいます。さて、1月28日発売の新刊「不時着する流星たち」、これはKADOKAWAの冊子「本の旅人」に連載されていた小説ですが、なんだかとてもおもしろそう。amazonの内容紹介を引用してみます。
たくらみに満ちた豊穣な世界文学の誕生!
盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪れる破調の予感を見事にとらえた、物語の名手のかなでる10の変奏曲。
ううむ、これはまさに小川洋子ワールド!モチーフになったのは、ヘンリー・ダーガ/ローベルト・ヴァルザー/パトリシア・ハイスミス/スタンレー・ミルグラムの放置手紙調査法/グレン・グールド/ヴィヴィアン・マイヤー/バルセロナオリンピック・男子バレーボールアメリカ代表/エリザベス・テイラー/世界最長のホットドッグ/牧野富太郎、となっています。
まだ、表紙もアップされていないのですが(表紙、出たので更新しました)、連載の扉絵を描いたMARUUさんがツイッターでイラストを紹介しています。これがなかなかいい感じ、表紙も担当されるのでしょうか?まだちょっと先ですが、 新しい年の楽しみが増えました。
『本の旅人』2月号よりスタートする連載小説、小川洋子「不時着する流星たち/第一回:誘拐の女王」の扉絵を描きました。ヘンリー・ダーガーの部屋をモチーフとした作品です。 pic.twitter.com/4XFFnIzbTI
— MARUU (@nozenkazura828) 2016年1月28日
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