また、本の話をしてる

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (2017.8/2週)

 出た本。俵万智の5つ目の歌集「オレがマリオ」が文庫になりました。東日本大震災後に仙台から息子と共に石垣島に移住した俵さん。収録されている幾つかの歌を読んで気になっていました。紹介文から引用してみますね。これは買おうかなぁ。

 

「電信柱抜けそうなほど揺れていた」震度7とはそういうことか


空腹を訴える子と手をつなぐ百円あれどおにぎりあらず


子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え

醬油さし買おうと思うこの部屋にもう少し長く住む予感して


第三者的には「軟禁」とも言える車を持たぬ離島の暮らし


「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ

 

 太宰治賞他受賞のデビュー作「さようなら、オレンジ」、坪田譲治文学賞受賞の2作目「Masato」、デビューから高い評価を受けている岩城けいの新作「ジャパン・トリップ」が出ました。オーストラリアから日本にやってきた9人の子供たちの7日間の大冒険!異文化と触れ合いそれを乗り越えていく人々を描く彼女の作品はやはり気になります。

 

 さて、出る本。まずは津村記久子の「ウエストウイング」(8/7)文庫になります。雑居ビルの物置場で交差する3人の男女の人生。津村ワールドはいつもユニークです。

 

 直木賞受賞で旧作にも注目が集まる佐藤正午。初期短編集の「夏の情婦」(8/8)が文庫で再刊行されます。これはデビュー作「永遠の1/2」の後に出たものなのだけど、読んだような読んでないような。単行本の表紙を見ると読んだ気もするんだよなぁ。でも、よく覚えてないのでもう一度読みます。

 

 ちくま文庫の獅子文六3ヵ月連続刊行の第2弾は「バナナ」(8/7)。しばらく手に入らなかった後期の傑作、超ドタバタな青春物語だそうです。これも期待!

 

 獅子文六はさらに朝日文庫で2冊。「信子」(8/7)と「おばあさん」(8/7)が出ます。「信子」はおんな版「坊ちゃん」、「おばあさん」は昭和初頭の家族を描いたユーモア小説。それにしても獅子文六、盛り上がってます。

 

 最後は単行本、「小さいおうち」「かたづの!」などの中島京子の新作「ゴースト」(8/7)。アマゾンでは「7つの幽霊を現代に蘇生させる連作集」と紹介されています。ちょっとこれ気になるなぁ。

 

 ◯これまでの「出る本、出た本」はこちらでまとめて。

 

 2017.8.7 台風5号、みなさん大丈夫でしょうか。東京西部も夕方から雨が降り出しました。読書は村田沙耶香「殺人出産」。これはとんでもない!

 

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