くどうなおこは詩人だ。81歳になる。そうか、童話作家でもあるのだな。そちらのことはあまり知らない。松本大洋は漫画家でイラストレーターだ。知ってる人も多いだろう。で、この2人、親子である。裏の方の帯にくどうさんの言葉が書かれている。
「うれしいなあ。松本大洋との合作って」
そうだよなぁ、しかも、こんなに素敵な一冊!帯、表は谷川俊太郎さんと糸井重里さんの言葉
スイートな言葉にホットな絵、こんな絵本初めて!ー谷川俊太郎
赤んぼうでも、おとなでも好きになる。
ささやくことばと、なでるような絵。ー糸井重里
よさそう。でも、う〜ん、このタイトルには抵抗があった。じゃん、は好きじゃない。それを詩人のくどうさんが…。しかし、しかし、この言葉、絵本の最後の一行なのだけれど、この一行で物語が見事に着地するのだ。すごい。
この絵本の文章はまさに詩だ。言葉だけ読んでも十分にいい。そして、生きる元気がムクムクムクと湧いてくる。あ〜だいじょうぶなんだ、と、あ〜みんなもなんとか生きてるんだ、と。そして、松本大洋の絵!谷川俊太郎との「かないくん」もとてもよかったけれど、これもまたいい。モノクロームに淡く着色された感じがなんとも素敵だ。くどうさんの詩を増幅させて、読む者の心を遥か彼方まで飛ばしてくれる。
そうかそうか、生きてていいんだな。みんなと同じでいいんだな。最後に、お気に入りの数行を。
「おはよう」というと
太陽は 今日も ウッス
光で ぼくの ほっぺた つまむ
ドアをあけたら
「今日」が やってきた イェイ
「今日」はいつも
はじめて会うように やってくるね
くどうなおこ、81歳かよぉ。素晴らしい!
○「いる」じゃん原画展があります。行きたいぞ。
○松本大洋「かないくん」もぜひ読んでね!
2017.11.1 おぉ、11月じゃないかい。国会、とりあえず39日間になってよかった。働け!国会議員。読書は浅生鴨「猫たちの色メガネ」。
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