第70回の野間文芸賞が先週末発表になり、高村薫さんの「土の記」が受賞しました。パチパチパチ!第39回野間文芸新人賞は今村夏子さん「星の子」と高橋弘希さん「日曜日の人々(サンデー・ピープル)」に。第55回の野間児童文芸賞も同時に発表され、山本悦子さんの「神隠しの教室」が受賞しました。「土の記」、高村さん意欲的に新分野に挑戦していますね。「土の記」のテーマは自然と農業とか。上下2巻の長編です。
文芸賞選考委員は奥泉光・佐伯一麦・多和田葉子・町田康・三浦雅士。新人賞選考委員は小川洋子、島田雅彦、高橋源一郎、長嶋有、保坂和志、星野智幸。群像編集部のツイッターで新人賞について星野智幸さんの講評の一部が紹介されています。
今村さん「星の子」について
「低いトーンで作品がずっと続いていく。音楽になぞらえる選考委員もいた。特に起伏もなく最後まで貫き通した。すごく難しいことを成し遂げた才能を評価」
高橋さん「日曜日の人々(サンデー・ピープル)」について
「希死念慮を正確に描いている。重い題材に引きずられることなく、近現代日本文学が書いてきた『私』とは違う一人称で書ききった。自分達には想像のつかない領域に達している」
どちらも今や文学賞ノミネートの常連、この評価は当然ですね。よかった、よかった。児童文芸賞の山本悦子さん「神隠しの教室」も興味あるテーマです。こちらもパチパチパチ!!!
受賞の言葉と選評は12月発売の「群像」1月号に掲載予定です。
○講談社・野間文芸賞のページはこちら
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