昨年の「MOE絵本屋さん大賞」で新人賞を受賞した絵本。作家のひろたあきらがよしもと所属の芸人さんってことでちょっと気になって読んでみた。
よのなかには さまざまな むれがあります。
で始まるこの絵本。最初の見開きは
ひつじの むれです。
いっぴきだけ けが ありません。
と左側にあり、右側にはたくさんのひつじ。まぁ、こういうのは絵本のパターンとしてよくある。間違い探しというか、仲間はずれ探しというか。子供たちはこういうの好きだよなぁ。この後、首の短いキリンや骨だけの魚、走ってる鳥、カラフルなうんこ、足があるオバケを探すページが続く。その後、さらに透明人間の群れから透明人間じゃない1人を探したり、雨の群れから誰かの涙を探したり、雷の群れから一つだけ優しい雷を見つけたり、と、このあたりがひろたさんのセンスで展開の仕方や見せ方に工夫があって楽しい。
で、このままいろいろ出てきて終わっちゃうのかと思ってたら、表紙にも出てくるアリの群れが登場する。一匹だけ違う方向に歩いているアリを探すのが最初。そして…おぉぉ!なるほど、なるほど!ラストまで工夫されているし、彼なりの「思い」もちゃんと伝わる。この人、これから絵本を作っていくのならちょっと注目したいぞ。
DATA◆ひろたあきら「むれ」(角川書店)1,000円(税別)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)
仲間はずれも、
仲間かもしれない。
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