年末恒例になっているマイベスト本の発表です。悩んじゃうと訳わからなくなっちゃうので悩まず今の気分でパパパッっと。1位はこれっ!!!(リンクで僕の書評にとびます)
1川上弘美「三度目の恋」
昨年は川上未映子さんの「夏物語」が1位でしたが、今年は川上「弘美」さんの方。両川上は僕の読書の中でもかなり重要な位置を占めている作家ですが「三度目の恋」は「伊勢物語」の時代、平安の恋を実感できるような不思議な物語。ううむ、これはまさに川上弘美ワールドだなぁ。2位以下は次の通り!
2宇佐見りん「推し、燃ゆ」
3松田青子「持続可能な魂の利用」
4馳星周「少年と犬」
5絲山秋子「御社のチャラ男」
6「フジモトマサルの仕事」
7ヨシタケシンスケ「あつかったらぬげばいい」
8町田尚子「ねこはるすばん」
9朝井リョウ「スター」
10 俵万智「未来のサイズ」
1位2位3位を見ると、お前はいったい何なんだ?と言われそうだけど、まぁこういうのが好きなんです。宇佐見りん、芥川賞候補の「推し、燃ゆ」、彼女21歳なんだなぁ。とんでもないなぁ。推しと少女のパワフルな物語。松田青子の「持続可能な魂の利用」はおじさんが支配しているこの世界と女の子たちの物語。ここにも推しが登場します。これもまた強し!
ホッと一息?の第4位、直木賞受賞の馳星周「少年と犬」。犬好きにはたまりません。人と犬の関係がなんともいいのです。そして絲山秋子「御社のチャラ男」、チャラ男小説というより会社小説、まさに日本の今を暴き出している。絲山秋子はいつも鋭い。で、6、7、8は非小説。漫画家ほかいろんな顔を持つ亡きフジモトさんの全貌に迫るコロナブックスの「フジモトマサルの仕事」。これは近くに置いて時々見たい。「MOE」の絵本屋さん大賞・大賞受賞のヨシタケシンスケ「あつかったらぬげばいい」、同じく4位の町田尚子「ねこはるすばん」、絵本界からも目が離せないっっっ!
9位、朝井リョウの「スター」は映像界の今に迫った傑作。そうか、YouTubeって、ううむ。俵万智の最新短歌集「未来のサイズ」を10位に。俵万智ってやっぱりスゴい。これが10位ってなんだかよくない?
で、このベストは去年出た本に限ったもの。でも、そうじゃない本もいろいろ読んでいる。「今年読んだけれど、今年刊行ではない本のトップ5」はこちら!
1小野不由美 十二国記「白銀の墟 玄の月」
2川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」
3ソン・ウォンピョン「アーモンド」
4宇佐美まこと「展望塔のラプンツェル」
5田島列島「水は海に向かって流れる」
「十二国記」は全4巻を去年読みきれずこちらに回っちゃったけど、待ちわびたファンが満足できる量と質。素晴らしい!コロナ禍で積ん読本を「いかん、いかん!」と読みましたがその時の一冊で特に印象に残ったのが「すべて真夜中の恋人たち」。ううむ、川上未映子、やっぱりスゴい。「アーモンド」は本屋大賞翻訳小説部門第1位。まさに旬の感じがする韓国文学。宇佐美まこと「展望塔のラプンツェル」は構成が見事!この人、こるんだよなぁ。最後は全3巻で完結したコミック、田島列島「水は海に向かって流れる」、これもよかったなぁ。うむ。
というわけで今年もいろいろな本に出会えて本当によかった。来年も心にグッと来る本に出会えますように。このブログをいつも読んでくれている皆さんにも感謝!来年もどうぞよろしくお願いします。
◯2010年からの年間マイベストはこちらから!
【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。