【エッセイ/感想】石田ゆり子「ハニオ日記 1・2・3」ー石田ゆり子と犬と猫たちの５年間、なんでもない日々のなんでもない小さな記録。

ハニオ日記 I 2016-2017

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石田ゆり子扶桑社 2021年05月31日頃

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ハニオ日記 2 2018-2019

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ハニオ日記 3 2019-2021

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　インスタにずっと投稿されてきた石田ゆり子と犬と猫たちの日々が一気に３冊の本になった。１は「2016-2017」、２は「2018-1019」、３は「2019-2021」。３の後半は当然コロナの日々でもある。３巻同時発売でさすがに買うのをためらった。インスタもだいたい見ているし。でも、買った。なんで買っちゃうかというと、石田さんの文章がすこぶるおもしろいから、それが一番。そして、犬や猫たちとの日々、その日常を切り取った写真が好きだから。

　何度か書いてるような気がするけど彼女の文章に出会ったのは「ほぼ日」に連載された「はなちゃん」シリーズ。それが本になった「はなちゃんの夏休み。」も大好きだった。石田さんの文章、すこぶるおもしろい、って書いたけどいやいやそんなものではない。才気煥発、なんなんだこの人、って感じ。動物たちとの暮らしを「ゆりごろう王国」と言ったりネーミングのセンスも抜群で、その文章はウイットにも富んでいる。例えばこんな感じ。

おかーさん　今日もぢょゆう？

てれび？　え？　えいが？

え？てれび？

ぼくはどっちでもいいんだ。

かっこいいおやつ、　出しといてね。

あいさつ、ちゃんとしなさいね。

　１巻目は「逃げ恥」の頃。ゴールデンレトリバーのやさしい雪と猫のビスク先輩がいる石田家に六つ子の保護猫のうちの２匹ハニオとタビがやってくる。甘ったれで恥ずかしがり屋のハニオとお兄ちゃん気質のタビ。彼らの思いを擬人化して語ったり、大切な場面では石田さん自身が自らの思いを綴る。ビスク先輩の話とハニオの骨折が大事件。

　２巻目は映画「マチネの終わりに」の撮影の頃。ハニオの子分みたいなはっちとみっつのはちみつ兄弟がやってきてさらに賑やかに。と思っていたら、結膜炎でひと騒動！一時預かりでやってきたマンチカンの男の子ばぶおの物語に涙がチョチョ切れる。

　３巻目はまだまだ「マチネの終わりに」の日々、そしてやって来るステイホームの毎日。ばぶおにそっくりなバンビ（ばびぶー）がやって来てゆりごろう王国、ただ今、犬１匹に猫５匹！結局ここにあるのは人間と動物たちとの平和で幸せな日々。なんでもない日のありがたさを感じながら、おかーさんは毎日頑張っている。かわいい、おかしい、ちょっとヘンな写真を見て、なんだか愉快な文章を読んで。飽きないなぁ。この３冊！本の印税はすべて保護犬と保護猫のために使われるそうだ。

◆DATA 石田ゆり子「ハニオ日記１ 2016-2017」1800円（税別）「ハニオ日記２ 2018-2019」1800円（税別）「ハニオ日記３ 2019-2021」1700円（税別）（扶桑社）

◯勝手に帯コピー（僕が考えた帯のコピーです）